シトロエンBX 4TCが思わぬ高値で落札|最近の海外オークション結果まとめ

ARTCURIAL

シトロエンBX 4TCは、きわめてユニークな車だ。1980年代には、失敗例の象徴として厄介者のように扱われることもあったかもしれないが、それでもシトロエン社のレース活動の遍歴における重要な車であり、さらにグループBの歴史においても非常に興味深い存在となっていることは間違いない。製造台数が少なく、現存車はもっと少ない。とはいえ、このオリジナル性を多分に残した走行可能な状態の1986年エボリューションモデルが、シャンゼリゼのアールキュリアル・オートモービルズ・オークションで、41万7200ユーロ(約5400万円)で落札されたことは衝撃的だった。

この落札が、同オークションに出品されたその他のラリーの「アイコン」といえる車にも影響を与えたのだろうか。売上の総合計は566万9152ユーロ(約7億3200万円)、落札率も72パーセントという結果がもたらされた。多数の入札があったもう一台の稀有なグループBカーは、1986年日産240RSで、こちらの落札額は21万4560ユーロ(約2800万円)。また、当日の最高額となったのは、48万8720ユーロ(約6300万円)で落札されたフェラーリ365 GTB/4デイトナスパイダーであった。

ボナムスの結果も見てみよう。ザウテ(ベルギー)でのオークションにて、合計1230万ユーロ(約15億8800万円)となり、これまで同所で開催されたオークションの最高記録を更新した。なかでも最高価格で落札されたのは1994年ブガッティEB110スーパースポーツで、224万2500ユーロ(約2億9000万円)。また、“新車同様”で走行距離1800kmの1989年フェラーリF40は、良好な保管状態も相まって184万ユーロ(約2億3800万円)で落札された。そして、とりわけ人々を魅了したのは、ギア社が手掛けた4台のジャガーXK140クーペのうちの1台。これは1956年のパリモーターショーにも出展されたもので、フルレストアが必要にも関わらず、落札額は28万7500ユーロ(約3700万円)となった。

ブガッティ EB110スーパースポーツ(ボナムス)

RMサザビーズは、ロンドンでのオークションにて、776万5265ユーロ(約10億200万円の販売を記録した。ちなみにこの金額には、注目の出品であったが落札されなかった、オリジナルのジャガーCタイプとベントレー・ブロワーの製造第1号車は含まれていない。結果として、特別なワンオフ仕様のヴィナッチャ・カラーをまとったラ フェラーリの、214万2500ユーロ(約2億7700万円)が最高落札額となった。僅差でオーナー歴の少ない1987年ポルシェ959コンフォートが次点となり、115万8125ユーロ(約1億5000万円)であった。90年間に渡り1家族のみが所有していた1928年メルセデス・ベンツ630Kは、79万2500ユーロ(約1億200万円)となった。

ラ フェラーリ(RM Sotherby's)

ボナムスが「ロンドン・トゥ・ブライトン・ベテラン・カー・ラン」に先立って開催した「ゴールデン・エイジ・オブ・モータリング・セール」オークションの総売上額は182万3327ユーロ(約2億3500万円)で、落札率は88パーセントであった。最高額となったのは、1904年プジョータイプ67A 10/12hp ツイン・シリンダー・スイング・シート・トノウで、26万4500ユーロ(約3400万円)。これには、週末のイベントへの参加権も含まれる。そして、1903年ウーズレー 10hp ツインシリンダー・フォーシート・リアエントランス・トノウは、16万1000ユーロ(約2080万円)となった。この車両は、後に先述の54マイルのイベント(「ロンドン・トゥ・ブライトン・ベテラン・カー・ラン」)を完走している。


Edited by Matthew Hayward まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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