真の贅沢はシンプルな中にある|「Less is More」の哲学を具現化した、第5世代のレンジローバーが日本初披露

Octane Japan

第五世代のレンジローバーが日本でお披露目された。これまで幾多の進化を経ながら、ラグジュアリーSUVの定義を謳い世代を重ねてきたレンジローバーが、この100年に一度の自動車変革期にどのようなビジョンを持って、この先のラグジュアリーの価値や可能性を見せてくれるのか。



発表会の会場内外には歴代レンジローバーが展示された。

発表会の冒頭でジャガーランドローバージャパンのマグナス・ハンソン社長は、「ランドローバーはオフロード車におけるパイオニアであり、優れた走破能力を持った、世界唯一のプレミアムSUVに特化したブランドです。その誕生から52年、今回のニューモデルは、これまででもっともラグジュアリーで魅力的なレンジローバーであり、技術的にもデザイン的にも革新的でサスティナブル、そして電動化として初のモデルのレンジローバーなのです」とコメントした。

続いてマーケティング・広報部のディレクターマシュー・スリース氏が、ふたつの言葉を引用しながら、これまでのレンジローバーの製品作りに対するフィロソフィーについて定義した。

ひとつは機能性を追求し、装飾というものを著しく排除した建築設計で有名な世界三大建築家の一人、ミース・ファン・デル・ローエの言葉。“Less is More”。

また、もうひとつはココ・シャネルの言葉、“I love luxury. And luxury lies not in richness and ornateness but in the absence of vulgarity. Vulgarity is the ugliest word in our language. I stay in the game to fight it.”である。華美すぎず、飾り立てない贅沢さ。これこそ、レンジローバーの根底に流れている真の「贅沢さ」であるとコメントした。

今回発表されたモデルは、スタンダードホイールベースとロングホイールモデルの2種類。シートレイアウトは、4人乗り、5人乗り、そしてレンジローバー初となる3列7人乗りが採用されている。



新型レンジローバーには、電動化を念頭にあらゆるパワートレーンに対応するランドローバーの最新アーキテクチャー「MLA-Flex」が初採用された。3.0リッター直列6気筒INGENIUMターボチャージドディーゼルエンジン、3.0リッター直列6気筒INGENIUMガソリンエンジンと105kWの電動モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)、4.4リッターV型8気筒ツインスクロールターボチャージドガソリンエンジン、そして2024年にはランドローバー初となる、フルバッテリー電気自動車(BEV)を投入する予定だ。



375kW/510PS、324kW/440PSの2種類のPHEVは、CO2排出量を30g/km未満まで抑え、モーターで航続距離は最大100km、一般的なレンジローバー・ユーザーの1回の走行距離の75%までをフル電動の「EV」モードだけで走行することが可能となる。普通充電、CHAdeMO急速充電にも対応する。

デザインは、前述した「Less is More」を体現するべく、ひとつの塊から削り出すような試みがされている。世代を超えて受け継がれてきた、ルーフ、ウェスト、シルの3つのラインを活かしながら、ショートオーバーハング、クラムシェルボンネット、格式の高いフロントエンド、直立したフロントガラス、実用的なスプリットテールゲート、テーパー形状でボートテールのようなリア……、レンジローバーならではのプロポーションを定義づける要素はしっかりと散りばめる一方で、新デザインを進化とともに組み込んでいる。

新デザインのフロントグリル、エアインテーク、「極力目立たない」ように新開発したウェストレールフィニッシャーが作り出す切れ目のないウエストライン。最新の技術を駆使した凹凸のないサーフェイスや点灯するまで気づかない画期的なリアランプまで、その仕上がりの美しさにレンジローバーが掲げるフィロソフィーが体現されていることを、実車を目の前にすればすぐに感じ取ることができるだろう。

インテリアは、従来の上質なレザーに加え、革新的なテキスタイルのウルトラファブリックやKvadrat社との共同開発によるウール混紡テキスタイルによる素材などの仕上げも可能だ。ゆとりある空間には、13.1インチのフローティング式HDタッチスクリーンを装備した最新インフォテイメント・システム、リアには11.4インチと8インチのタッチスクリーンを配備。静粛性を確保する第3世代となる新しいアクティブノイズキャンセレーション機能や空気清浄システムなども採用されている。





自動車の変革期という新たな時代を迎えた今、これまで脈々と培ってきた哲学をベースにあらたな価値の創造に取り組んだレンジローバー。最もラグジュアリーなSUVの定義が、この5世代目のレンジローバーに反映されるといえるだろう。

また、新型の発表と同時に、ランドローバーのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)の技術者が開発・設計したラグジュアリーとパーソナライゼーションを極めた「レンジローバー SV ローンチエディション」の発売も発表された。導入されるデザインテーマは、“静けさや落ち着き”を意味するSV SERENITY(エスブィ・セレニティ)、“勇壮な、大胆な”を意味するSV INTREPID(エスブイ・イントレピッド)。用意されたのは60台限定で、2022年1月17日(月)より受注がスタートしている。



特別仕様車「レンジローバー SV ローンチエディション」の価格(消費税込)は、エンジンとホイールベースの組み合わせにより26,751,000円~33,236,000円。


ランドローバー レンジローバー
ラインアップおよびメーカー希望小売価格(消費税10%込み)

■3.0リッター直列6気筒INGENIUMディーゼル・エンジン(MHEV)搭載モデル
最高出力:221kW/300PS 最大トルク:650Nm
RANGE ROVER SE D300 (SWB) 16,380,000円
RANGE ROVER HSE D300 (SWB) 17,530,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY D300 (SWB) 19,720,000円

■PHEV
最高出力:324kW/440PS 最大トルク:620Nm
RANGE ROVER SE P440e (SWB) 17,100,000円
RANGE ROVER SE P440e (LWB) 17,640,000円
RANGE ROVER HSE P440e (SWB) 18,240,000円
RANGE ROVER HSE P440e (LWB) 18,790,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P440e (SWB) 20,400,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P440e (LWB) 20,610,000円
RANGE ROVER FIRST EDITION P440e (SWB) 21,270,000円
RANGE ROVER FIRST EDITION P440e (LWB) 21,030,000円

■PHEV
最高出力:375kW/510PS 最大トルク:700Nm
RANGE ROVER SE P510e (SWB) 18,350,000円
RANGE ROVER HSE P510e (SWB) 19,490,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P510e (SWB) 21,550,000円
RANGE ROVER FIRST EDITION P510e (SWB) 21,880,000円
RANGE ROVER SV P510e (SWB) 24,770,000円

■4.4リッターV型8気筒ツインスクロール・ターボチャージド・ガソリン・エンジン
最高出力:390kW/530PS 最大トルク:750Nm
RANGE ROVER SE P530 (SWB) 18,300,000円
RANGE ROVER SE P530 (LWB) 18,710,000円
RANGE ROVER SE P530 (LWB / 7シート) 18,930,000円
RANGE ROVER HSE P530 (SWB) 19,450,000円
RANGE ROVER HSE P530 (LWB) 19,860,000円
RANGE ROVER HSE P530 (LWB / 7シート) 20,060,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P530 (SWB) 21,630,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P530 (LWB) 21,950,000円
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY P530 (LWB / 7シート) 21,590,000円
RANGE ROVER FIRST EDITION P530 (SWB) 22,400,000円
RANGE ROVER FIRST EDITION P530 (LWB) 22,720,000円
RANGE ROVER SV P530 (SWB) 24,930,000円
RANGE ROVER SV P530 (LWB) 27,750,000円

オクタン日本版編集部

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