オープンから1年で販売台数は3倍へと飛躍的にアップ。北海道在住のエンスージアストが長年待ち望んでいた、フェラーリ・ジャパン正規ディーラーがMID Sapporoだ。
2016 年9 月25 日、フェラーリWEB サイトauto.ferrari.com の正規ディーラー検索MA P に、新たな赤い跳ね馬マークが追加された。日本における最も新しい販売拠点、北海道初のフェラーリ・ジャパン正規ディーラーとして札幌市東区に誕生したのがMID Sapporo(エムアイディサッポロ)だ。運営を行うのは11 種類の輸入車ブランドを扱う総合輸入車ディーラー"株式会社北海道ブブ"。北海道の輸入車乗りにはすでにお馴染みの存在だ。
ショールームとサービスセンターは、道央自動車道の札幌ICから10分弱、札樽自動車道の雁来ICから車で5分という交通の便のよい場所に位置している。「オープンから間もなく1年を迎えますが、北海道でも実際に新車を見て体感できる場所が誕生したと、多くの方から喜んでいただいております」と語るのは、宮澤学志ゼネラルマネージャーだ。いままでは、モーターショーや輸入車ショーの会場以外で、フェラーリの新車を目にすることはできず、もちろん試乗など不可能だった北海道民にとってはまさに待望の拠点誕生。歓迎の声はもっともだろう。
業務の内容は幅広く、新車、認定中古車、パーツ&グッズ販売、日常のメンテナンスから車検までのサービスと、フェラーリを購入、良いコンディションで保ち続けるためのあらゆる作業に対応してくれる。最新のフェラーリCI でまとめられた400 ㎡のショールームには、常時4 台の新車のほか2~3 台の認定中古車が展示されている。ボディ/インテリアのカラーとマテリアル・サンプルを展示、大型モニターでイメージを具現化してくれるコンフィギュレーションルーム、ゆったりくつろげるラウンジも備わる。
お客様について伺うと、オープンから1年を経ず、札幌を中心に旭川、帯広、函館とすでに道内の広範囲に拡大しているとのこと。半年近く雪と氷に閉ざされる北海道だけに、冬期はガレージで保管される方がほとんどだろうと宮澤さんに訊ねたところ、「1 年を通してお乗りになっているお客様、複数おられますよ」と驚きの答えが。「 4WDモデルのGTC4Lussoにウィンターホイール+スタッドレスタイヤでドライブされております。北海道の事情にマッチしたフェラーリとして、今後大いにアピールしていきたいモデルですね」と話してくれた。
地域事情に合わせたサービスを
新たに誕生したサービスセンターは、250㎡の敷地に4台のワークベイを設置、最新のテスターやタイヤチェンジャーを備え、様々な作業に対応が可能だ。「当社で販売した車はもちろん、それ以前に購入されたお客様のアフターケアにも対応しています」と語るのは山中俊夫アフターセールス部長。販売やサービスのチャンネルが変わると、従来からのユーザーは行き難さを感じてしまうケースもあるようだが、そのあたりはどうなのだろう。「当社は輸入車の総合ディーラーとして、様々なブランド、車種を扱ってきています。ステップアップでフェラーリに移行した方はもちろんなのですが、実は日常の通勤車やご家族の車つながりで、お付き合いをいただいていたお客様は結構多いんですよ」と話す。北海道の輸入車シーンを長年にわたり牽引してきた北海道ブブだけに、フェラーリの正規ディーラーとしては日が浅くとも、他の車種を通して顧客との信頼関係をしっかり築いており、以前からのオーナーにもすんなりと受け入れられているようだ。
冬は寒冷降雪地と化す北海道だが、4WDのGTC4Lussoであれば、年間を通してのドライブも可能。現在納車待ちのお客様も多いそうで、今シーズンに向け車高アップなど冬用セッティングも提案していきたいと語る。他の車種に関して伺ってみると、ほとんどの車は、冬はガレージに保管して、雪解けから走り出すとのこと。そのため春の時期は整備予約が殺到するそうだが、冬眠中にバッテリー・トラブルを抱え、サービスセンターまで自走できないケースも多いそうだ。「それなら、こちらから工具を積んでメカニックと一緒に各地に出張しちゃおうかと...」と笑顔を見せる山中部長。来年、春の気配が感じられる頃、フェラーリオーナーのもとには"雪解けメンテナンスキャラバン"のDMが届くかもしれない。
絆を深めるさまざまなイベント
MID Sapporoでは展示会や試乗会といった通常の販売促進イベント以外にも、毎月、顧客や購入検討者を対象としたツーリングやサーキット走行イベント、パーティーなどの催しを実施している。
「当社との信頼関係を深めていただくだけでなく、お客様同士のコミュニケーションや情報交換の場として、毎月何らかのイベントを行っています。北海道で雪の心配をせず走れるのは5月下旬から10月末ぐらいですので、この間はサーキットやツーリングを、乗れない期間はパーティーやトークショーなど、ショールームを活用したイベントになります」と語る宮澤ゼネラルマネージャー。特に好評なのは年2回開催されている十勝スピードウェイを舞台としたサーキットイベント。インストラクターを招いての同乗限界走行体験では、一般道では発揮することができない、フェラーリの真のパフォーマンスを味わうことができるほか、参加者自身のドライブでサーキットランを楽しむ時間もたっぷりと用意されている。
「ツーリングはサーキットイベントのない月に、北海道内各地の自然に触れ、いろいろな体験をしていただこうと行っています。これまでニセコや洞爺湖など片道2 ~ 3 時間程度の日帰りスタイルで実施したのですが、9 月には阿寒湖まで1 泊でのツーリングを行いました」と話す。参加台数はお客様7 ~ 8 台+デモカー2 ~ 3 台の10 台前後で、途中道の駅などに立ち寄りながらツーリング、現地でランチを楽しむというスタイル。もちろんデモカーの試乗もOK で混雑した札幌市内での試乗と異なり、車種別の個性をじっくりと味わうことができると好評だそうだ。「これからの季節はショールームでのイベントが中心になりますが、1 周年記念やクリスマスのパーティーを予定しています。お客様の記念日にショールームを提供することも考えているんですよ」「来シーズンは気軽に参加でき、本格的な走りを楽しめるジムカーナイベントを札幌市内で検討しています」とのことだ。
新しいディーラーだけに、販売、サービスなど各部門のスタッフが、顧客との絆をより深められるよう、様々なアイディアを出しあっている...、そうした姿勢が印象に残った。
文、写真:原 将人(STUDIO EST) Words and Photography:Masato HARA(STUDIO EST)
エムアイディ札幌
住所: 〒007-0805 北海道札幌市東区東苗穂5条2丁目6-32
TEL:011-780-7711
エムアイディ札幌公式:http://www.sapporo.
北海道BUBU公式:http://bubu-iss.com/
2024.03.29
ランボルギーニ、その60年はV12と共にあり|60 Years of ...
ランボルギーニの起源にまつわる物語はよく知られている。イタリアン・エキゾティックの世界で新参者のフェルッチョが注目を集めるためには、フェラーリに匹敵するエンジンを持たねばならなかった。そこで彼は世界最 ...
2024.03.26
フェラーリのあるライフスタイルのために|Nicole Competiz ...
2024年2月にオープンした「Nicole Competizione プレオウンドショールーム & サービスセンター」は、総床面積4191㎡という広い建物に20台前後の認定中古車とレーシングフ ...
2024.03.27
クロノグラフを発明した天才、『ルイ・モネ』の時計|Louis Moin ...
自動車の歴史はスピードというもっともわかりやすい性能を競う歴史であり、そのスピードを数値化する計測の歴史でもある。その計測において、クロノグラフという機構がもたらした功績は計り知れないが、意外やルイ・ ...
2024.03.20
DSをキャンバスに!? 子どもも喜ぶ「ヴァンセンヌ旧車会2024年3月 ...
パリの東の要、ヴァンセンヌ城。その前の広場で毎月開かれるヴァンセンヌ旧車会定例ミーティング。今月3月は第二週日曜日に集まった。本来は第一日曜日だが、先週はパリ セミ マラソンが開催されそのコースの一部 ...
2024.03.18
連載:アナログ時代のクルマたち|Vol.22 ポルシェ908シリーズ
1968年にFIAはグループ6のスポーツカープロトタイプカテゴリーのレギュレーションを変更し、最大排気量を3リッターに定めた。この結果ポルシェはレギュレーション一杯の3リッターエンジンを開発することに ...
2024.03.22
ポルシェ新型パナメーラ海外試乗記|未体験の乗り味を実現した、驚きのサス ...
ポルシェの2023年のグローバル販売台数は32万221台と過去最高を記録している(ちなみに国内の新規登録台数も初の8000台超え)。もっとも売れているのがカイエン、続いてマカン。そして911、タイカン ...
2024.02.22
【追悼】マルチェロ・ガンディーニが若者に伝えたい大切なメッセージ|トリ ...
人生の恩師 マルチェロ・ガンディーニを偲んで…世界中のクルマ好きを魅了した天才デザイナーが2024年3月13日、永眠した。去る1月12日、トリノ工科大がマルチェロ・ガンディーニに機械工学 ...