こんなレアなインテリアのBBがあったとは…|イタリアを代表する世界的ファッションブランドが手がけたフェラーリ

William Walker (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby's

1981年、フェラーリは512ベルリネッタ・ボクサーに、由緒あるフラット12エンジンをフューエルインジェクション化し、27.12Nmものトルクを追加するアップデートを行った。静止状態から時速60マイルまで4.7秒、最高速度280km/hを誇る512 BBiは、アメリカでは排ガス規制があったためヨーロッパ向けのモデルとして生産されたが、後に連邦化プログラムによってアメリカのバイヤーの輸入手続きが緩和された。1984年にテスタロッサにその道を譲ったBBiは、わずか1,007台しか製造されなかったが、1970年代に登場した512BBから丁寧に進化したモデルとして、多くのエンスージアストに愛されている。



RMサザビーズに出品されているシャシーナンバー44993の1983年フェラーリ 512BBiは、イタリアのファッションブランド、エルメネジルド・ゼニアによる特別なインテリアデザインが施されている。ウールのシートとドアインサート、複数色のカーペットを組み合わせたユニークな内装が施された約27台のうちの1台とされる。

このフェラーリの場合、白いボディにクリーム色のレザーインテリア、赤いウールのインサートとカーペットが組み合わされた見事なカラーコンビネーションで仕上げられ、エアコンと独自のイコライザーを備えたパイオニア製の専用ステレオシステムも搭載していた。この512は、1996年までオリジナルバイヤーの家族が所有していたとされるが、その後、ミネソタ州のジョン・アントンが取得。20年間所有し、落ち着いた運転と丁寧な手入れでこの車を扱ったという。





2016年に3人目のオーナーに売却されたBBiは、オリジナルのカラーコンビネーションで化粧直しされた。また、オリジナルのCromodoraホイールに戻され、正規のサイズのミシュランTRXタイヤが装着されたと伝えられている。その後、同車は2017年初頭に開催されたカヴァリーノ・クラシックに出展された。



このフェラーリは2018年にノースカロライナ州グリーンズボロのフォーリンカーズイタリアから、約12,000ドルのエンジンアウトベルトサービスを含む、大規模なレストア作業を受けたことが、車両とともに保存されている請求書で確認することができる。その後2019年1月に現在の所有者の手元にやってきた512は、フェラーリ オブ ラスベガスによって必要に応じてメンテナンスされており、オークション用カタログ作成時の走行距離は33,600km未満と表示されている。



ツールキットとオーナーズマニュアル、無線マニュアル、ディーラーのサービスブックレットも、然るべきポーチに入った状態で付属する。特別な内装をまとったこの512は、ベルリネッタボクサー最終モデルの中でも特に魅力的なモデルだといえるだろう。


Photography: William Walker (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby'sRM Sotherby's

オクタン日本版編集部

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