「できる」という勇気を持つ|25歳女性がダカールにドライバーとして挑戦!

Rebecca Busi

"...ダカール ラリーに参戦することになりました。私はナビゲーターを信頼し、自分の直感を信じています。参戦することに大きな喜びを感じています。生きていると実感できるからです。このように情熱を注ぐことができるものはきっと誰もが持っているものだと思います。自分の人生の中で追求したいこと、自由な気分で何も考えずに挑戦を続けるのです..."

1996年、イタリア・ボローニャで生まれたレベッカ・ブジが、2022年1月2日から14日にサウジアラビアで開催される次回のダカール・クラシックにドライバーとして参加することが決定しイタリアで話題となっている。レベッカの父は自身もモータースポーツに挑戦している人物で、ポルシェ、ランチア、プジョーなどたくさんの車が常にガレージにある環境で彼女は育ってきた。父の願い通りに育った彼女は幼い頃から車好きとなり、成長していくにつれて本物の車を操ることに喜び、楽しみ、そして生きがいを感じるようになった。「父と叔父がバイクや車を集めていて、彼らのガレージで育ちました。お気に入りはランチア・デルタのファイナルエディションです。18歳の誕生日に、憧れのアウディS1をお願いしました」。18歳のときにカートをはじめたが、やはりラリーのほうが性格に合っていたため、これまでは地元のラリーイベントにコ・ドライバーとして参加を重ねてきた。



大学では車とは全く関係のない経済学と経営学を専攻し、現在はバルセロナで国際ビジネスの修士課程に在籍している。しかし、彼女に将来の夢を聞いてみると「プロのドライバーになること」だという。その夢のための大きな一歩として、ダカールに挑戦することを決めた。父は娘が車好きに育ち嬉しく思っているものの、危険を伴うダカール参戦については最初から完全に賛成はできなかったそうだ。しかし、レベッカの決心は固く父はノーと言えなかった。



ダカール・クラシックでレベッカはレンジローバー3.9をドライブする予定で、コ・ドライバーはこの種のラリーで多くの経験を持つロベルト・ムジが務める。もちろん、彼女が車に興味を持つきっかけとなった父もサポーターとして参加。親子で同じ目標に向かって走り出している。トレーニングは昨年10月末からはじまっており、モロッコの砂漠で10日間ほどトレーニングを積み、今はジムで週3回トレーニング、ランニングを2回、お酒は飲まない、お菓子も制限、ジャンクフードも食べないという生活をしている。その合間に大学での勉強もおこない、スポンサーを探しと多くのことを自らこなしている。



このダカール・クラシックは2021年に初めて設けられた部門で、2000年以前の車両を対象としている。VWビートル、プジョー504、ポルシェ911、959、バギーなどの車両が参加している。コースの約20%を占めるいくつかの区間では、ナビゲーションだけが評価され、ストップウォッチはなく、1キロメートルでも超過すると減点されるルールも設けられている。

全体で150名に満たないほどの参加者が予定されているが、その中で女性はわずか10名。そして、ドライバーはたった3名しかいない。ダカールに向けてレベッカが作ったSPARCOの新しいヘルメットは、レインボーカラーだ。それには「あらゆる形の女性差別に対してメッセージを送りたい」という意思表示を込めている。また、自身がダカールに挑戦することで、すべての若い女性に「私がやったように、あなたにもできる!」というメッセージを伝えたいと話す。



レベッカの信念は、「できない」と思うことではなく、「できる」と思う勇気を持つこと。「このプロジェクトにすべてをかけています。失敗したくないし、父をがっかりさせたくない」と強い思いを話してくれた。

2022年中にいくつかのラリーレイドレースに参加し、2023年のダカールにも備えていく。たくさんの人に勇気を与えてくれるであろう、レベッカの今後の活躍がとても楽しみだ。

オクタン日本版編集部

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