<異例の高額落札>さらなる過熱を見せる時計オークションの世界

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今、時計オークションが熱い。3~4年前からそのようにいわれ続けているが、この2年近くの状況はさらに過熱し、かつては考えられなかったような高額落札が頻発している。最近の傾向として目に付くのは、高騰するモデルがオークション本来の得意分野であるヴィンテージ・ピースから、ごく最近のモデル、極端な例では現行品になっている点だ。これはコロナ禍で行き場を失った、いわゆる“リベンジ消費”が、人気モデルの新品に集中して品切れてしまい、その結果セカンド・マーケットが過熱するという状況が生まれているためだ。

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さらに顕著な傾向として、これらの時計を求める層は、かつてのオークションの主流であったような老成した“趣味人”ではなく、SNSに画像を投稿して自らのラグジュアリーなライフスタイルを発信する壮年・青年層であるという点も挙げられる。

アジアや北米圏で増加するこれらの層が、ロレックス、パテック フィリップという時計オークションにおける二大看板ブランドだけでなく、リシャール・ミル、オーデマ ピゲなどSNS映えするモデル、さらにはこれからの人気が期待される独立時計師など、豊かな資金を背景に柔軟な売買を繰り返すことで、オークション市場全体が底上げされ、結果、多くのロット(出品作品)でエスティメート(予想落札価格)を超えるという事態が生じ、モデルによってはエスティメートの10倍近くという、まさに異次元レベルの状況も珍しくない。しかしこれは逆の意味で“今や最高の売り時である”ことも意味する。

文:北村泰(WATCH MEDIA ONLINE編集人) 

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