伝統のカラーを纏った特別な一本|リシャール・ミル 「RM 029 オートマティック ル・マン クラシック」

Richard Mille

700台が走行し、クラブエリアには8500台のヒストリックカーが集うル・マン クラシック。2年に一度開催されるこの祭典が2020年に続き、2021年も開催されなかった。そんな中、リシャール・ミルはこれまでの伝統を繋ぐかのようにル・マン クラシック開催を記念する限定モデルを発表した。RM 029 オートマティック ル・マン クラシック。「何もなかった年の150本限定モデル」という意味で、これはあまりに特別なモデルだ!





ブガッティ・サーキットに、2年に一度だけ特設されるリシャール・ミル・ラウンジがある。この特設ラウンジはロングストレートのエンド部に位置することから、クラシック・レーシングマシンが放つ独特の減速音を楽しむことができる。現代のレーシングマシンの減速音が高音域のそれだとすれば、ストロークの長いギヤシフターをこじるように次のギヤへ誘導するドライバーの動きが手にとるようにわかる、クラシック・レーシングマシンの減速音は、なんとも「人」と「オイル」の匂いがするものだ。もちろんこの特別なラウンジに招かれた幸福な人々が楽しむのは、そんな古のマシンがもつなんとも言えないロマンだけではない。そこには美味しい食事にお酒、気のおけない仲間や家族との団欒がある。夕暮れ時、ラウンジのテラスに出て、ヘッドライトを点灯しはじめたマシンを眺め、比較的低音域の優雅な排気音を聴きながら、冷えたシャンパーニュをいただく瞬間のなんと幸福なことか。リシャール・ミルのホスピタリティとはサービスの提供だけではなく、素晴らしい時間の提供だということがわかる。
 
そんな特別なラウンジでゲストたちの話題に上るのは当然、リシャール・ミルの時計であり、ル・マン クラシックの開催に合わせて発表される限定モデルについてだ。リシャール・ミルは2002年の第1回大会からパートナーとしてこのレースへ参加しているが、都度その限定モデルは話題の中心であり続けた。

あまりにも目を引くグリーン&ホワイトのカラーリングは、明記はされていないが間違いなくル・マン クラシック伝統のロゴマークへのオマージュ。なんとこのストライプはプリントではなく、ホワイトクオーツTPTをグリーンクオーツTPTベゼルの12時と6時の位置にはめ込んだもの。
 
ご承知の通り、全世界が未知のウィルスに悩まされる中、ル・マン クラシックは2020年、2021年と開催されなかった。2年に一度の開催を約束してきたこの一大イベントが二度にわたり延期を余儀なくされるのは、毎回ラウンジでの時間を楽しみにしているゲストは当然のことながら、世界から集まる13万人を超えるファン、それを迎え入れるル・マン郊外の市井の方々からしても残念でならなかったはずだ。ここに紹介する新作はそんな"ル・マン クラシックが開催されなかった時"に、ル・マン クラシックを記念し150本限定で制作された8作目のモデル、という意味で感慨深いモデルだ。そんな「RM 029 オートマティック ル・マン クラシック」について、以下は発表されたプレスリリースからの文面となる。

「ケースサイズ40.10×48.15×13.10mm。ミドルケースはホワイトクオーツTPT、そしてフロントベゼルとケースバックはグリーンクオーツTPTで構成されています。フロントベゼルには、ル・マンの特徴であるダブルストライプが施されています。このストライプは、ホワイトクオーツTPTをグリーンクオーツTPTベゼルの12時と6時の位置にはめ込んだもので、ブランド初の試みです。(中略)スケルトナイズされたグレード5チタン製キャリバーRMAS7は、4時位置にオーバーサイズのデイト表示を備えます。そして独自の可変慣性モーメントローターシステムによって、RM 029 オートマティック ル・マン クラシックの心臓部である、2つの巻き上げ香箱を駆動します。2時位置には細部までこだわった24時間表示(青色の針)があり、レースイベントだけでなく、24 時間を戦い抜いた何百台もの 車とドライバーへのオマージュが込められています」。

ル・マン クラシックは1923年にスタートするル・マン24時間耐久レースに参加した車両、もしくは同型の車両で1979年までに製造されたマシンが参加できる。年式に応じて6カテゴリーに分けられ、1時間20分を3ラウンド、都合24時間を走るというもの。スタートが16時というのもユニークだ。
 
果たしてこの伝説のレース、ル・マン クラシックは、来年2022年だけでなく、最初のレースから100周年を迎える2023年にも特別に開催されることが決定している。異例の2年連続開催は、喪失感を伴うこの2年間を取り戻すためのものだ。この一本を着けて2022年のル・マン クラシックの、あの夕暮れの時間を楽しめたなら。それはいつにも増して、感慨深いに違いない。

本文中で触れている夕暮れ時のリシャール・ミル・ラウンジ。世界中から集まるゲストは皆、こうしてテラスに出てそれぞれの時間を楽しむ。次回開催は2022 年と、ル・マン24時間レース第一回目から100年目となる2023年も連続開催が予定されているらしい。


文:オクタン日本版編集部 Words:Octane Japan

RICHARD MILLE
RM 029 オートマティック
ル・マン クラシック
150本限定生産
キャリバー: RMAS7、自動巻き 
ケースサイズ:40.10×48.15 mm 
ケース厚:13.10 mm
ケース素材:ホワイトクオーツTPT(ミドルケース)、グリーンクオーツTPT(ベゼル) 
防水:50 m防水 
パワーリザーブ:55時間 (±10%)  
ムーブメント直径:30.25mm×28.45mm 
振動数:毎時28800振動 
価格:2167万円( 税込)
リシャールミルジャパン TEL:03-5511-1555

オクタン日本版編集部

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