ここはサーキットではない。 まだ、どこにもない真のドライビングコース

photography : Kazumi Ogata



「ジオラマで見たよりも、はるかに壮大ですね。コースのアップダウンもすごいし、コース幅も想像していたより広い。現地に来てみないと分からなかった。クラブハウスからは富士山や東京湾を望めるようですが、眺めの良さは必須条件ですよね。この場所なら、朝に思い立って車で来てパドックで車を乗り換えて、午前中にゆっくり何周か走ったあと、景色を眺めながらランチ。また午後に少しペースを上げて...なんて使い方ができそうです。つまり、ここは自動車の役割が二極化する時代の乗馬クラブですね。車は保管しておくだけではなく、すぐに走れるように維持管理をしてもらえるのはありがたい」(中村氏)

建設現場を訪れ、想像以上の壮大なスケールと景色に感心する中村史郎氏。遠く西側には東京湾を遠望することができる。



当然のことだが、マガリガワ・プロジェクトを企画するコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドの傘下に、ロールス・ロイス、ベントレー、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどのラグジュアリー・カーの販売を行うコーンズ・モータースや株式会社C.P.Sを擁するだけに、スーパーカーからクラシックカーまで車両の維持管理を任せても心配はない。

「『とにかくスケールが大きい』の一言に尽きる。よくもこの構想を実現したものだと感心します。これほどの規模でありながら、完全に会員制というのがユニークですね。会員になれるような恵まれた人たちにとって、素晴らしい環境でのドライブを楽しむことはもちろん、会員の交流の機会も生まれるのだと思います。世界中を見ても、このような会員システムのコースは、私は知りません。将来的には、走ることだけでなくここでコンクールデレガンスなども開催して、豊かな自動車文化を育てて欲しいですね」(中村氏)

写真左に見えるのは東京湾である。黄の輪郭がコースになるが、最長800mの2 本のストレートがある。ジオラマでどれだけイメージをしていても、実際に現地を訪れると、そのスケールの大きさに驚かされることになる。
(C)Google 画像取得日:2020/12/20以降 SIO,NOAA,U.S.Navy,NGA,GEBCO


コースからパドック方向を眺める。現場における人との比較で全体のスケールの大きさを想像してみてほしい。

ピット側から1コーナーを臨む。かなり急な勾配となっている。コース各所には適切なアンジュレーションが用意されているようだ。


掘削現場に配備されるような建築用移動運搬車。工事においては大きく造成を図るが、「土を持ち出さない。土を持ち込まない。」をポリシーに、自然を守る大いなるプロジェクトが展開している。 

いわゆる路肩のゼブラも、全体のコンセプトのもと、独自のデザインで製造されていく。このコンクリート片ひとつで約300㎏もある。配色についても紅白ではなくオリジナル配色を検討中だ。

文:川端由美 監修:中村史郎(株式会社 SN DESIGN PLATFORM) 写真:尾形和美 

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