海で乗る?山で乗る? 水陸両用車、DUKWが面白い!

Bonhams

水陸両用車のDUKWは、第2次世界大戦中に開発された軍用車両の中でも最も知られているもので、アメリカの国防研究委員会と科学研究開発局によって開発された。DUKWの試作車は、GMCのトラックシャシーをベースに、水密性の高い船体とプロペラを追加したもので、1942年にゼネラルモーターズの子会社であるGMCで生産が開始された。GMC製270ci4.4リッター直列6気筒エンジンを搭載した6.5トンのDUKWの最高速度は、一般道で50mph、水上では5.5ノット(6.3mph)であった。特筆すべきは、キャブの中でタイヤの空気圧を変化させることができる技術を初めて採用したことである。





DUKWは装甲戦闘車ではないが、一部の車両にはブローニング機関銃が搭載されており、侵攻したビーチヘッドへの物資の運搬や負傷者の避難に使用された。DUKWが最初に配備されたのは太平洋戦域で、ヨーロッパではシチリア島への侵攻の際に使用されている。D-Dayの後、多くのDUKWがノルマンディーの海岸で活躍し、終戦時には2万1000機あまりが製造された。



第二次世界大戦後、DUKWは世界中の軍隊で使用されたが、その中には英国王立海兵隊も含まれていた。この記事で紹介している個体は、王立海兵隊が北デボンのインストウにある水陸両用試験・訓練施設で運用していたものだ。5.9リッターのカミンズ社製ディーゼルエンジンを搭載した「B269」は、60年以上にわたって軍用車として使用され、おそらくこれまでに販売された軍用車の中で最も長く使用された車両だろう。



この車は、9月18日のグッドウッド リバイバルセールに出品され、推定落札価格は6万2000ドル(約681万円)~8万3000ドル(約912万円)となっている。現在のオーナーは、2016年9月に開催されたボナムスのグッドウッド・リバイバル・セールでこのDUKWを購入した。この車両は、国防省から直接市場に出てきたもので、英国の軍務から解放された最後のDUKWだった。当時の走行距離は3983マイルで、走行時間は522時間。ブランドのスペシャリストであるレックス・ウォード氏によって整備され、愛好家であるオーナーによって、スコットランドの所有地で陸と海の両方で使用されてきた。このDUKWは、軍用車両のコレクターにとって夢のような買い物であると同時に、プロモーションツールとしても期待できる(川辺に降り立つのに、これほどクールな車両はないだろう)。



他の写真も気になる方はこちらの画像ギャラリー【全12点】をご覧いただきたい。

オクタン日本版編集部

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