絶世の美女。世紀の大女優。その美貌と圧倒的な存在感で人々を魅了したヴィヴィアン・リー。映画『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役で伝説的な女優としての地位を確固たるものにした彼女の没後50年となる本年、ロンドンのサザビーズにて「Vivien: The Collection of Vivien Leigh」が開催される運びとなった。9月26日に行われるこのオークションは、あまり知られることのなかったヴィヴィアンの私生活を垣間見ることのできる貴重な機会として注目を集めている。
Vivien Leigh, circa 1941 Photograph by Cecil Beaton
©Sotheby’s Cecil Beaton Studio Archive
オークションには絵画、ジュエリー、クチュール、本、家具、陶磁器、オブジェやアートなど、戦前のロンドンからハリウッド時代、そして1967年の没年に至るまでの彼女の人生を彩った約250点のアイテムの出品が予定されており、その中には下記のような象徴的なアイテムも含まれている。
原作者マーガレット・ミッチェルから贈られた『風と共に去りぬ』
(予想落札価格£5,000~7,000)
©Sotheby’s
ヴィヴィアン・リー自身が『風と共に去りぬ』の初期からの愛読者であり、スカーレット・オハラを演じることを熱望していた。この本には、原作者であるマーガレット・ミッチェル本人による"Life’s pattern pricked with a scarlet thread / where once we were with a gray / To remind us all how we played our parts / In the shock of an epic day."という手書きの詩が書き込まれている。
映画『風と共に去りぬ』の台本
(予想落札価格£2,500~3,500)
Gone with the Wind, film script, presented to Vivien Leigh by members of the cast, with photographs, circa 1939 ©Sotheby’s
ゴールド・リング
(予想落札価格£400~600)
A gold ring inscribed ’Laurence Olivier Vivien Eternally ©Sotheby’s
20年間の夫婦生活を送ったヴィヴィアン・リーとローレンス・オリヴィエは、世界中でもっとも魅力的なカップルの一組だと言われていた。この指輪の裏面には"Laurence Olivier Vivien Eternally"と刻まれている。
ファッションと宝飾品
Diamond bow brooch/ pendant, mid-19th century ©Sotheby’s
©Sotheby’s
ヴィヴィアンは洋服やジュエリーをこよなく愛し、現代的なファッションにヒストリカルな宝石を合わせることを厭わなかった。当時のデザイナーによるピンクのイブニングドレスや、19世紀半ばのダイヤモンドのブローチ(ペンダント)など、彼女が好んだファッション・ジュエリーアイテムも多数出品される。
ヴィヴィアン・リーのポートレート
(予想落札価格£5,000~7,000)
Augustus John Portrait Head of Vivien Leigh 1942 Red chalk on paper ©Sotheby’s
ヴィヴィアンはアートにも情熱を傾け、生涯に渡って収集を続けた。撮影などで何カ月も世界を旅する際には、訪れた国で作品を購入するだけではなく、ホテルの部屋や世界中の楽屋に飾るための絵画も描かせたという。今回はそのうち45作品ほどが出品される予定である。
この赤いチョークで描かれたデッサンは、オーガスタス・ジョンによるもの。ローレンス・オリヴィエから絵の研究用にということで託されたものだが、最後まで完成することはなかった。伝えられるところによると、アーティストが被写体にあまりに夢中になってしまったとオリヴィエが思ったためだとか。
ヴィヴィアン・リーの家族は「このコレクションが祖父母や両親、家族を幸せにしたように、これらを手にした人がみな喜びを感じてくれることを願っています」とコメントしている。
ヴィヴィアンと夫のローレンス・オリヴィエが暮らした家から出品される多数の品物からは、彼女の芸術への鑑識眼、英国のモダンアーティストへの支援、本への情熱やインテリアデザインへの愛情など、これまでとは違った彼女の一面をうかがい知ることができるかもしれない。
サザビーズジャパン
URL:Sothebys.com/jp
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