低走行、極上コンディションのデイトナスパイダーがオークションに出品!

Robin Adams (C) 2021 Courtesy of RM Sothebys

1967年に開催されたデイトナ24時間耐久レースでフェラーリが1,2,3フィニッシュを果たしたことから、新型365GTB/4は「デイトナ」と呼ばれ、すぐにフェラーリファンの間で評判になった。V型12気筒エンジンに4本のオーバーヘッドカムシャフトを装着し、排気量は4,390cc、馬力は352hpという当時としては驚異的なスペックを誇り、デイトナはミウラを抑えて市販車最速の座に就いた。ドライサンプ方式を採用したことでエンジンの搭載位置が低くなり、また5速トランスアクスルを採用したことで重量配分は50対50となった。シャシーはフェラーリの伝統である楕円形断面のチューブで構成され、全輪独立サスペンションによってハンドリングとタイヤの接地性が向上した。さらに、4輪ディスクブレーキを装備するなど、デイトナは総合的に優れた車だった。



当初、デイトナのオープントップモデルは計画されていなかったが、スカリエッティとピニンファリーナの間でオープントップのデザインが検討され、プロトタイプが承認された。1969年のフランクフルトモーターショーで発表された365GTS/4デイトナスパイダーは、欧米市場向けに生産され、この新型グランツーリスモのオープンモデルを望む声が殺到した。



今回RMサザビーズ主催のオークション「アメリア・アイランド」に出品された、ペッレ・ネラ(VM 8500)にジアッロ・フライ(20-Y-191)の鮮やかなカラーリングが施されたこの365 GTS/4 デイトナ・スパイダーは、1971年12月に工場から出荷された。121台が生産されたうちの36番目のモデルである。アメリカ向けの左ハンドル車で、マイル表示の計器類やエアコンが装備されていた。その後、1972年2月、コネチカット州グリニッジにあるルイジ・キネッティ・モータースに納車されたこのデイトナスパイダーは、なんと2カ月後のニューヨーク国際自動車ショーに出展されたのである。



ニューヨーク国際オートショーからわずか数週間後の1972年4月28日、このフェラーリは、カリフォルニア州ヒルズボロに住む銀行家で、長年のフェラーリ顧客であるアルフレド・ドゥカート氏が購入した。デュカート氏は1951年に初めてフェラーリを手に入れて以来、エンツォ・フェラーリと親交を深めてきた熱心なエンスージアストだった。デュカート氏とエンツォ・フェラーリは長年にわたって定期的に手紙を交わし、デイトナ・スパイダーは1987年に亡くなるまでデュカート氏のコレクションとなっていた。彼の死から3年後、ドゥカート氏の妻はウォルナット・クリーク・フェラーリ/ブランドン・ローレンス社を通じて、カリフォルニア州バーリンゲームのハーブ・ボイヤー氏に売却した。



1997年、車の外観を一新する時期だと考えたボイヤー氏は、ボブ・ポッツ氏にオリジナルの色合いであるギアロ・フライに再塗装を依頼。そしてケン・ネミニック氏によって工場出荷時のネロ・レザーに内装が変更された。2000年に、オリジナルの走行距離が10,000マイルに満たないこの車は、カリフォルニア州サンフランシスコのトム・クヌーセン氏に売却された。その後、2005年8月にフロリダ州ボカラトンの著名なコレクター、ジェームズ・L・ペイジ氏に売却された。



さらに2008年1月には、新車からわずか12,775マイルしか走行していないこのフェラーリは再び売りに出され、ニューヨーク州ニューヨークのチャールズ・ヤスキー氏が購入。2008年1月26日、ヤスキー氏はフロリダ州パームビーチで開催されたカバリーノ・クラシック・コンクール・デレガンスにデイトナ・スパイダーを出品し、ライバルの多いイベントでプラチナ賞を受賞した。そして2008年4月、デイトナ・スパイダーはフェラーリ・クラシケ・レッドブックの認定を受け、オリジナルの仕様に忠実であることが証明された。認証後、ヤスキー氏はイタリアのマラネロからムジェロまで、フェラーリファクトリー40周年記念のデイトナツアーに参加している。



2008年、走行距離13,020マイルのこのデイトナ・スパイダーは、現在のオーナーのフェラーリ・コレクションに加わり、細心の注意を払って管理されている。今回のオークションカタログに掲載されているオドメーターは13,442マイルとなっている。このようにオリジナルの走行距離が少なく、クラシケ認定を受け、プラチナ賞を受賞したデイトナ・スパイダーを手に入れる機会はめったにないだろう。20年以上経過しているにもかかわらず、塗装もインテリアも驚くほど新鮮な外観を保っており、この車が生涯を通じてよく手入れされてきたことは明らかだ。



グランツーリングクラシックスのノベルト・ホファー氏による最近の圧縮およびリークダウンテストでは、エンジンは機械的に良好な状態であることが確認されている。またこのデイトナスパイダーには、ポーチ付きのマニュアル、ジャッキとバッグ付きのツールロール、そして修復写真が付属する。

推定落札価格は225万~275万USドルとかなり高額ではあるが、この車にはそれだけの価値があるということだ。エンツォ・フェラーリが意図したように、この車は永久にオーナーを魅了し続けるだろう。



RM サザビーズ、アメリカ、
アメリア・アイランド、2021年5月22日
https://rmsothebys.com/

オクタン日本版編集部

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