"Bond, James Bond" この車さえあれば誰もが007に。

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007ゴールドフィンガーに登場した様々なガジェット付きのアストンマーティンDB5をもし手に入れられたらと、一度は考えたことがある人は少なくないだろう。007に見つからずに手に入れる方法はあるだろうか。

アストンマーティンDB5は映画史においておそらくもっとも象徴的な車だ。007ゴールドフィンガーで登場したDB5は、その時代の少年たちを一人残らず虜にし、DB5にMI6の"気まぐれなスパイ"の愛車というイメージを植えつけた。DB5の人気は非常に高く、スティーヴ・マックイーンが運転する1968年 フォードマスタングGTブリットと、『バックトゥザフューチャー』のデロリアンDMC-12を除けば、コーギートイズシリーズ(イギリスのミニカーブランド)の中では最も売れた車である。

1964年にジェームズ・ボンドは特別なモディファイが加えられたDB5のキーを受け取った。Qと呼ばれるMI6の技術部門は、007がいつでも優雅にカーチェイスを楽しめるようなスペシャルなガジェットをDB5に多数装備した。スピットファイア戦闘機に搭載されているマシンガンや、悪役が乗るマシンのタイヤを切り裂くためのポップアウトスラッシャー、望まれない乗客を放り出すための射出シートなど、様々なオプションが装備されている。



2020年の公開が延期となった007シリーズの最新「ノー・タイム・トゥ・ダイ」では、ダニエル・クレイグ演じる007が4台のアストンマーティンのステアリングを握る。その最新作でメインの車となるDB5の助手席には女優のレア・セドゥが座り、DB5は再び長きにわたって人気を獲得することになるだろう。さらにアストンマーティンは007の25作目を記念して、55年ぶりにDB5の新車を製造した。この新たに生産されたDB5は「DB5コンティニュエーションゴールドフィンガー」という名が付き、007映画の製作会社であるEONプロダクションの協力のもと、アストンマーティンのワークショップとニューポートパグネルで製作された。1台あたり4500時間かけて劇中車と同じ仕様に作られており、25台の限定生産となっている。しかしこの車を買うためには、320万ポンド(約4億6300万円)という大金を用意しなくてはならず、コーギーのミニカーのように簡単に買うわけにはいかないだろう。さらにこのDB5は様々なガジェットがついている故に公道で走らせることができないのだ。



しかし幸運にも私は公道走行を許可されたプロトタイプで、数時間だけスリルを味わうことが許された。

私は革張りのシートに腰掛け、クロームが光る計器を横目にバークシャーの田園地帯疾走していた。足りないものといえば、シャーリー・バッシーのサウンドトラックと、隣に座る美女くらいである。

私がこの車に乗ってスクリーンに登場する可能性は限りなく低いとはいえ、身長175cmの私でさえルーフに頭がついてしまうのには少し驚いてしまった。ショーン・コネリーはどうしていたのだろうか…?

しかしキャビンはたしかにコンパクトだが、実際にはそんなことはまったく気にならない。4.0リッターのツインカム直列6気筒エンジンがリラックスしながらも楽しめる走りを実現してくれる。このエンジンは290bhpを発揮し、そのパワーは後輪に全て送られる。さらにLSDも装備されているため、テールを滑らし、よりボンドのカーチェイスの雰囲気を味わうこともできる。

Words : Jeremy Taylor 訳:オクタン日本版編集部

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