レストアのためではなかった!フェラーリのボディだけを購入した本当の理由とは

RM Sotheby's

「春の大掃除」をテーマに、RMサザビーズは納屋にしまい込まれていた車を発掘し、オークションに出品している。

RMサザビーズのスペシャリスト、ザック・オラーは、この素晴らしいスポーツカーやマッスルカーのコレクションを見て次のように語った。「これらはすべて、バージニア州のサフォークにありました。2人の兄弟が1980年代後半に購入したものです。彼らの祖父が建てた納屋に、文字通り残されていたものです。彼らは土地を売却したので、これらを取り出さなければなりませんでした」。手付かずのコレクションの中には、アルファロメオのディーラーサインや、このシンクレアの両面マグネットサインなど、自動車をテーマにした貴重なヴィンテージサインも含まれていた。

そのコレクションからポルシェ356やフォードマスタングが出品されているが、特に注目を集めている一台がこの、1963年 フェラーリ250GTE 2+2シリーズ3である。フェラーリ初の量産4シーターである250GTEは、1960年のル・マン24時間レースでコースマーシャルカーとして初めて一般公開された。当時、モータースポーツにおけるフェラーリの優位性は揺るぎないものであったが、250GTEでは、スクーデリアの競争力を維持しつつも、より洗練されたドライビングエクスペリエンスを求める新たな購買層の獲得を目指した。その数カ月後のパリ・モーターショーで正式に発表されたこのモデルは、アストンマーティンやマセラティの同種の車に対抗する真のライバルとみなされた。250GTEは瞬く間にフェラーリのベストセラーとなり、1960年から1963年の間に954台が生産された。その中でシリーズ3はおよそ300台が生産されたといわれている。





そして、おもしろいことにこの納屋のコレクションに隠れていたボディシェルは、決して再び走らせるためのレストアベースとしてではなく、ピニンファリーナが作り出した手作りの芸術品として独立させ、ひとつのオブジェとして使用することを目的として購入されたという。それが現在になって再び光を浴び、レストアベースとして売りに出されている。次のオーナーも同じようにオブジェとして扱うのか、"ホットロッド・フェラーリ"とするのか、オリジナルに忠実にレストアを施すのかはわからないが、いずれにしても価値のある作品となるだろう。



推定落札価格は2万~3万ドル(約216万円~324万円)となっている。

オクタン日本版編集部

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