30年間納屋で放置されていたポルシェ356 推定落札価格は?

RM Sotheby's

シンプル、クリーン、エレガント、そして控えめ。1950年代前半から半ばにかけて、空気力学的に優れた小さなポルシェ356クーペは、このように表現されていた。もともとフォルクスワーゲン・ビートルのために作られたパーツやデザイン・コンセプトがまだ使用されていたものの、1953年には356はポルシェのデザイナーやエンジニアが求める着実な開発と進化の兆しを明らかにしていた。ほとんどが手作業で製造される自動車の製造工程を簡略化するために、常に改良が加えられていた。

基本的なボディ形状は1964年に生産が終了するまで変わることはなかったが、無数のディテールが年々変化していった。ノーズとテールパネルに直接取り付けられていた2ピースのウィンドシールドとバンパーは、マイルドなV字型をした1ピースのウィンドシールドに変更され、バンパーはボディから分離された。インテリアトリムも新しいハードウェアでグレードアップされた。

エンジンも進化しており、1953年には空冷対向4気筒で、排気量は1,100cc、1,300cc、1,500cc、出力は40馬力から55馬力の "ノーマル "と、70馬力の高性能な1500 "スーパー "が用意された。1953年のシリーズでは、完全にシンクロナイズされた新しいギアボックスが採用された。

車に添付されている記録によると、ロイターによるこの1953年のポルシェ356クーペは、グリーンのビニールシートにパームグリーンの魅力的な色合いで仕上げられ、1953年4月にファクトリーから出荷された。望ましい70馬力の1500Sモーターを搭載し、ニューヨークの著名なディーラー、マックス・ホフマンに納車された。



そしてこの356は、過去30年間にもわたって納屋で保管されていた。一度、あるいは二度、再塗装されているようである。エクステリアには、ドライバーミラーとHella製ヘッドライトレンズが装備されている。インテリアは、バケットシートが1席とリアシートが残っており、ドアカードと一緒にグリーンのトリムが施されている。グリーンに塗装されたダッシュボードには、メーターの他にテレフンケン製のラジオが搭載されている。ギアボックスは残っているものの、1500Sのモーターは現在のオーナーが購入する前に外されていたため、車には残っていない。





グリーンの上にパームグリーンを配した魅力的なオリジナル・カラーで仕上げられ、1500Sモーターを搭載していたこの「ベント・ウィンドウ」のプレA 356は、コンクール・レストアの理想的な候補となる。購入してから乗ることができるようになるまでは相当な時間と費用がかかるであろうが、車としての価値は非常に高く推定落札価格は5万~6万ドル(約540万円~649万円)となっている。

オクタン日本版編集部

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