ベントレー・トリビア|第1弾 誰もが惚れ惚れするベントレー・デザイン 秘密はフェンダーにあり!?

Bentley

ベントレーのデザインアイコン、リアフェンダーの上縁前部がフロントフェンダー上縁のラインと二つの峰を描くかのように「キックアップ」されたスタイルは、2003年誕生の初代以来、歴代のコンチネンタルGTに採用されてきたほか、現在ではフライングスパーやベンテイガなどすべてのモデルに採用されている。







この美しくもクラシカルなフェンダーラインのデザインは、古くは20年代のレーシングカーのフェンダーからインスパイアされたといわれているが、1952年にデビューし、歴代コンチネンタルGTのデザインモチーフとなった名作「Rタイプ・コンチネンタルH.J.マリナー製スポーツサルーン」が決定付けた。



第二次世界大戦の終結後、自動車のデザインには大改革が勃発。戦前の車ではメインボディから独立していた前後のフェンダーをメインボディに融合させる「フラッシュサイド」へと移行しつつあった。

しかし、この時代からベントレーのデザインチームを主導した若手デザイナー、ジョン・ブラッチリーは、同社が戦後を見越して1939年に製作したコンセプトカー「ベントレー・コーニッシュ」や、同じく戦前の1938年にフランスのコーチビルダーとともに製作し、戦後のル・マン24時間レースで入賞を果たした「ベントレー 4 1/4リッター エンビリコス・クーペ」の美しいリアフェンダーにインスパイアされ、リアフェンダーの存在感をハウンチラインとして残しつつ、フラッシュサイドを成立させる手法を発案。現代では顧客からの特別注文を受ける「マリナー」部門に名を遺す「H.J.マリナー」社の卓越した架装技術も相まって、Rタイプ・コンチネンタルとして大成功を収めるに至ったのだ。





初代コンチネンタルGTのデビューと同じ2003年のル・マン24時間レースにて、ベントレーに73年ぶりの総合優勝をもたらした「EXPスピード8」にも、グラフィックのみではあるが、ハウンチラインの存在感を示すアイコンが描き込まれていた。



現代ベントレー・デザインの成功は、この時すでに決まっていたといえるだろう。

オクタン日本版編集部

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