スーパーカーよりも高値で落札!BMW アルピナ ロードスター V8の魅力

RM Sotheby's

Z8ロースターの前身であるBMWのZ07コンセプトは、間違いなく1999年の東京モーターショーでスターとなっていた。伝説的な507ロードスターとBMWブランドのアイコンへのノスタルジックな賛辞であるZ07は、レトロが自動車業界で流行していたときに登場した。

BMWが2人乗りのスポーツカーを復活させたとき、日本だけでなく世界が驚愕した。デザイナーのクリス・バングルとヘンリック・フィスカーは、その祖先である507に賛辞を送り、コンセプトを完成させたのである。この車は、1999年のフランクフルト・モーターショーでZ8として生産デビューする前に、1998年1月にデトロイトに2度目の登場を果たした。

その懐かしさにもかかわらず、その下には非常に洗練されたモダンなBMWを秘めている。アルミボディパネルを備えたアルミスペースフレーム構造、キセノンヘッドランプ、4輪独立懸架式サスペンション、ABS付きパワーアシスト4輪ディスクブレーキ(BMWのV-12 750iと共有)、パワーアシストラックアンドピニオンステアリング、ASC + Tトラクションコントロール、フロントおよびサイドエアバッグ、6段マニュアルトランスミッション、頑丈な4カムV型8気筒エンジン、電動で調整可能なステアリングコラムに至るまで、ほぼすべての快適さと便利なオプションが含まれていたのだ。エアコン、6段階で調整可能なスポーツシート、Harmon Kardonサウンドシステムも備えていた。巧妙なことに、リアバンパーにはラジオと電話のアンテナが隠されていた。BMWは、生産期間中に5,702台を製造した。



2002年11月のZ8生産の終了に伴い、2003年にアルピナによるZ8が製造された。グランドツーリングに重点を置いて、「アルピナロードスターV8」と呼ばれるすべてのアルピナZ8には、アルピナでチューニングされた4.8リッター V8エンジンと5段スイッチトロニックATが装備された。通常モデルではよりしなやかなナッパレザーを用い、特別なアルピナゲージ、アルピナ3スポークステアリングホイール、ギア選択用のアルピナ独自のディスプレイなどが含まれていた。



そして、レッドレザーのインテリアの上にチタンシルバーで仕上げられたこのアルピナロードスターV8は、555台生産されたうちの1台である。この車を含めて、450台がアメリカに輸出された。カリフォルニアに最初にデリバリーされたこの車両は、2007年にイタリアに輸出されている。それからというものイタリアに残り、走行距離は新品からわずか1万km弱である。この車両はBMWが提供するオリジナルの工場用携帯電話が搭載された状態で2月に開催されたオークションに出品され、32万ユーロという価格で落札された。これは、同じオークションで落札されたフェラーリ365 GT4 BB(30万8,750ユーロ)よりも、ランボルギーニ・エスパーダ Sr.1(17万3000ユーロ)よりも高値となっている。このような事例で分かるがアルピナには、熱心なファンを集める奥深い魅力がいるのであろう。

オクタン日本版編集部

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