世界的ロックスターが所有していた!希少なランボルギーニ・カウンタック

RM Sotheby's

いくつかの車は運命付けられた特別なものである。このランボルギーニ・カウンタック LP400 ペリスコピカ(シャシナンバー #1120262)もその一台である。ロッソカラーのボディにタバコブラウンのインテリアという組み合わせ、右ハンドル仕様で製造され、1977年5月にサンタアガタのファクトリーからオーストラリアのディーラーに向けてラインオフされた。157台のみ製造されたという点でもこのモデルは望ましい存在だが、ファーストオーナーは世界的に知られるアーティスト ロッド・スチュワートであったのだ。

3台のミウラを所有していたほどのランボルギーニ愛好家であったロッドは、当時オーストラリアをツアーしており、その道中でこのカウンタックを発見した。彼はカウンタックも数台所有していたが、これが最初のカウンタックとなった。彼は車をスタジオでしばらくの間保管し、ロッド・スチュワートの代表ともなった『スーパースターはブロンドがお好き』のレコードを終えた。スタジオにカウンタックがある光景は、彼の自伝でも見られる。



その後、LP400はロッドの家族が住むアメリカ・ロサンゼルスに移され、「RIVA1」として再登録された。彼は改造を繰り返し、第一世代のカウンタックで見られないアップデートを段階的に加えていった。はじめに施したカスタムは、ワイドなゴッティホイールとミニスポイラーを取り付けることであった。それからフルワイドボディへ変え、カンパニョーロ「テレダイアル」ホイールを装着し、カウンタック LP400S仕様へと変更した。



1987年、イギリスに車を戻すと「RMK 651R」の新ナンバーで登録し、今度はルーフをカットしタルガトップにした。リアウィングも追加され、見た目は大きく変わっていた。2002年に2人目のオーナーのもとへと渡り、オリジナルの姿へと戻すレストアが開始された。#1120262はしばらくの間姿を消していたが、2010年に開催されたレトロモビルで展示された。作業が施された時期がいつかは分からないが、2010年の時点で左ハンドル仕様へとコンバートされていた。2013年に3人目のオーナーへと渡っており、この時点で外観のリフレッシュがおこなわれている。

大切に保管されてきた末、2020年2月開催のRMサザビーズオークションで出品され、77万5,625ユーロ(約9917万円)という記録に残る落札額が付けられた。美しくレストアされている点はさることながら、非常にユニークな歴史を持っていることがこの価格につながったのであろう。

オクタン日本版編集部

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