22万kmを故障なしで走破!メルセデス・ベンツ 240TDで出かけたある朝のこと

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クラシックのメルセデス123シリーズを所有すると、当たり前のように感じる信頼性に甘えてしまうことだけが問題だ。私は1990年6月13日に240TDを購入した。そして、その後30年以上に渡りおよそ22万km(13.7万マイル、全走行距離の半分弱)を、なんと無故障で走破したのである。そして、9カ月間ものロックダウンと冬季の保管後に久しぶりに乗ろうと思ったら、とうとう故障していて逆に驚いた。

その日は、友人たちと日の出を見にドライブする予定だった。待ち合わせは朝の5時45分だったので、私はその30分ほど前に車を始動させておいた。空気圧が高過ぎていたタイヤから空気を抜き、オイルチェックなどをし、バッテリーを繋いでキーを回した。

エンジンはすぐにかかったが、燃料ゲージがゼロになっていた。缶からディーゼル燃料を追加しても変わりがなく、エンジンをかけた数分後でも水温計はピクリとも動いていなかった。間違いなく何かおかしい。そして、友人たちが到着してしまった。



日の出に待ってもらうわけにもいかず、私たちは仕方なく出発した。玄関を出た時も、計器は作動していなかった。さらに悪いことに、保管時に開けっ放しにしていたパワーウィンドウが・・・上がらなかった。なんと現地では嵐が吹き荒れていたのだが、私たちは怯むことなく、45分後に撮影場所に到着したのだ・・・。凍えるしかなかった。

写真を数枚撮っていると明るくなってきたので、私はおそらく15年ぶりにヒューズボックスを開けた。そして、腐食したヒューズを見つけたのだ。しかし、それを交換しても改善はなく、最も疑いのあるものも含め、他のフューズには問題がなさそうだった。朝食後にまた風に吹かれながら帰ってきた後、例のヒューズはキャップの方も壊れかけていることが分かった。そして新品と交換したら、すべて解決した。

『オクタン』の他の執筆者たちはもっと大規模な苦難を乗り越えているので、こんな些細な故障についての記事は少々珍しいかも知れない。とにかく、123シリーズ、特にディーゼルモデルとの生活は、普段はいたって平穏だ。少し前に、こんなノロくてワクワクもしないステーションワゴンをなぜ車庫に置きっぱなしにしているのか、と尋ねられたことがある。でも私にとって、この240TDとお別れすることはあり得ないのだ。初めて所有したまともな車であり、一緒に素晴らしい旅をした仲間なのである。

週末にサーフィンにでかけていた頃、夜食や宿のための費用がなく、この240TDの中で寝た。しかも10年近く、私のたった1台の愛車だったのだ。引っ越しの時も、家財の移動に何度役に立ってくれたか思い出せない程だ。冬の霧の日に、生まればかりの息子を病院から家まで乗せて帰ることにしたのもこの車だった。私たちの人生で最も重要な旅となった。

このメルセデスはもう私の家族の一員だし、運転していて本当にくつろげるのだ。30歳の誕生日、おめでとう!

文:Massimo delbo 訳:オクタン日本版編集部

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