電気で走るクラシックカー!「RBW」に試乗して感じたことは?

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パッと見た感じはMGBに見える。しかしこの車は電動だ。そしてオールラウンドに独立したサスペンションを持ち、まったくの新車として登録されている。そして当然のことだが、我々Octaneがその車に深く関わるピーター・スウェイン氏にした最初の質問は、「どうしてあなたの会社がRBWと呼ばれているのか」ということだった。

「RBWは私の3人の子供、ロージー(Rosie)、ベッキー(Becky)、そしてウェス(Wes)のイニシャルなんだ」笑いながらそう答える。彼の反応は非常に魅力的なものだったが、彼の会社がある種の可愛らしい手工業であると勘違いしてはいけない。小規模なビジネスであることは確かだが、コンチネンタル・グループの中で440億ユーロの売り上げを担う、EV市場のビッグネームのひとつであるコンチネンタル・エンジニアリング・サービス社(以下CES社)との提携を結んでいるのだ。

スウェイン氏自身は電気工学に精通しているが、クラシックカーの修復作業を見学した際に彼の人生は一変した。そのビジネスは、主には傷の修復や伝統的なMGBの車体の塗装業務を現在8人の従業員で担っているものだが、RBWロードスターの組み立て工程においても一定の役割を演じている。そこから、ボディはモーター、バッテリー、配線、サスペンションなどを取り付けるためにCES社ヘ向かい、その間にインテリアを専門とするプロトトリム社によって内装が仕上げられる。伝統的なMGBのような重厚な駆動系を用いないということは、日産リーフのバッテリーを6個(オプションによって8個にすることが可能)も積めるということであり、RBWは伝統的なそれと比較して22kgの重量増で収めることが可能だということを意味しているのだ。



電気自動車の莫大な開発コストを回収するために、スウェイン氏は彼の会社の技術に関するライセンスを他社向けに供与することを計画している。この車の動力の美しさとは、それそのものがとてもコンパクトで、Eタイプやビッグヒーレーのような様々なクラシック・スポーツカーの車体にそのまま投入できる「ケージ」によって構成されていることである。この試作機は最高出力96bhp、最高トルク240Nm(171Ibft)を生み出すことができるが、2倍の出力を持つモーターがそれにとって代わろうとしている。

「電動化における課題は全域でトルクを制御下に置くことだ」スウェイン氏はこう説明する(*訳者注:電気モーターの特性上、初期に最大トルクを発揮するが、従来のエンジン車では徐々にトルクが高まるため、電動車の設計ではトルクを制御することが重要になる。そのため、このような解説になっていると考えられる)。「それが、僕たちが出力の調整に対して慎重になる理由なんだ。ホットロッドを造ること自体は簡単だろうが、安全であることが必要になってくる。タイヤが燃えてしまうようなスタートを切ることがこの車の目的じゃない」

第一印象はまったくもって素晴らしかった。この車は、見事に合わせられたチリ(スウェイン氏曰く、彼らは他よりもここの設計に多くの時間を費やしたそうだ)、そして美しく完成されたインテリアによって魅力を放っていた。ワイヤースポークによって構成されている合金のホイールは既に普及しているスタイルかもしれないが、RBWは、伝統的なスタイルの穴開きのハイパフォーマンス用ディスクブレーキを含めた幅広いオプションを備える。ホイールは特注品で、RBWはMGBの4穴ホイールではなくゴルフMk7の5穴ホイールを用いている。



ボンネットを上げると、大きな鋼鉄製のバッテリーボックスが見えるだろう。ボックスによって荷物入れが部分的に塞がれているが、利用可能なスペースはしっかり残されている。

見た目の美しさとして挙げるなら、標準的なMGBとの最も顕著な違いは電子ディスプレイによるダッシュボードとツイストノブによってギアチェンジを行うことのできるセンターコンソールを持っている点だろう。また、衛星ナビゲーションDABラジオ、そして電気制御式で即応性の高いパワー・ウインドウを搭載している。

オクタン編集部

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