Aims for Higher Goals. アストンマーティンの過去と未来



キセノングレーのボディーカラーをチョイスしたDBSスーパーレッジェーラからは、やはりどことなく、ではなく紛れもなきスーパースポーツ風のビジュアルが感じられる。
 
もちろんアストンマーティ自製の、5.2リッター V型12気筒ツインターボエンジンを、725psの最高出力と900Nmの最大トルクで搭載。0-100km/h加速を3.4秒で、また最高速では338km/hにも達することを考えれば、それはスーパースポーツと呼ぶに相応しいパフォーマンスにほかならない。だがアストンマーティンは、DBSスーパーレッジェーラをスーパースポーツではなく、スーパーGT(グランドツーリング)と定義する。そのポジショニングの違いはどこにあるのか、試乗のポイントは、どうやらここにありそうだ。


 
DBSスーパーレッジェーラをドライブして、まず感じるのは、走りの軽快感だ。そう速さそのものではなく、アクセルレスポンスや、アクセルの動きに対するV型12気筒エンジンのレスポンスが常にナチュラルな反応なので、安心してアクセルペダルを踏み込んでいける。これならばGTが意味するところであるグランドツーリングでも、精神的な疲れを感じることは少ないだろう。DBSスーパーレッジェーラのチューニングの方向性は、明らかにマン・マシンの一体感に向いているのだ。




 
ワインディングでは、そのナチュラルでしなやかなサスペンションの動きに、GTとしての一端を強く感じさせられたが、やはりこのモデルが最も魅力的に思えるのは、高速道路でのクルージングだ。乗り心地には一切の不満はなく、外部からキャビンに入ってくるノイズもとても小さなレベルだ。シートも余裕のあるサイズで、リアにはプラス2のシートも備えられる。このリアシートはロングクルージングでの移動には、実際にはラゲッジスペースとして使うほかはないが、それがある安心感は日常の使い勝手を考えればそれなりに大きいのではないだろうか。




DBSスーパーレッジェーラ
ボディサイズ: 4712×1968×1280mm
ホイールベース:2805mm
車両車重:1693kg
エンジン形式:5.2リッターV12 DOHC 48バルブ ツインターボ
駆動方式:FR
変速機:8段AT
最高出力:725ps(533kW)/6500rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1800-5000rpm
最高速度:340km/h
本体価格:3434万2333円(税込)



文:山崎元裕  写真:柏木龍馬

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