美と捉えるか否か?車のデザイン史に残る斬新なデザイン 3選

Photography:Max Serra

車のデザイン史に残る、3台の斬新なデザインをご紹介。これらを美しいと思うかどうかについては賛否両論あるかと思うが、現代では見られないデザイン哲学をお楽しみいただきたい。


ストラトス・ゼロ
1960年代が終わるころ、世界中の有名デザイナーたちは究極のショーカーを生み出すべく、熱い戦いを繰り広げていた。そこにまさしく彗星のように現れたベルトーネの斬新なコンセプトカーが並み居るライバルたちを吹き飛ばす。1970年のトリノ・ショーに出品されたストラトス・ゼロである。



マルチェロ・ガンディーニは片足を現実世界に、もう一方の足は自分だけの世界に置き、そしてヌッチオ・ベルトーネという実力と理解のある後ろ盾を持っていた。彼の芸術性はストラトス・ゼロで遺憾なく発揮されたと言える。ただしそれは物議を醸したことは間違いないが、車としてライバルのカロッツェリアの注意を引くことはそれほどなかった。

というのも、今でこそ自動車デザインの"クラシック"として崇められているストラトス・ゼロだが、1970年のトリノ・ショーに姿を現した際の反応は、否定的意見と無関心が入り混じったものだった。とにかく評価が分かれていたのである。一部の人にとってゼロはその奇抜さだけで十分に魅力的だったが、長続きするような種類のものではなく、また大多数の人にとっては、ただ単に刺激的な作品であり、自動車というよりは彫刻と言うべきものでそれ以上の意味を持たなかった。要するに現実味のあるデザインスタディとは受け止められなかったのだ。



しかし、後にストラトスHFとして知られるモータースポーツ史に輝く傑作マシーンに進化した事実を超えて、ゼロはそれ自体自動車として重要な意味を持ち、今なおデザイン界に影響を与えている。


オクタン編集部

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