フェラーリ・ローマ 東京試乗記|大統領お墨付きのラグジュアリー・クーペ!

Photography: Ken TAKAYANAGI


パートナーやバディと運転を互いにするも良し。


高速をベテランKさんに運転を任せて助手席に座ると、また新しいローマの顔が見えてきた。いつものフェラーリのドライバー優先設計とは異なり、ローマの運転席と助手席空間は、ほぼ均等に設計されている。つまり、体験は二等分。これが思いの外、いい。

具体的に見ていこう。ローマの運転席はまるで宇宙船の司令室だ。最新フェラーリらしくフルデジタル化されている。液晶ディスプレイメーター、ステアリングホイール、ダッシュボード中央に縦型ディスプレイ、目を落としてコンソールにはシフトスイッチと、多様な情報を迷うことなく操作できる工夫が著しい。



一方、助手席にも8.8インチ・フルHDタッチスクリーン(オプション)があり、ドライビングインフォメーションを共有できる。運転してるとなかなか気づかないが、これは面白い。パートナーやバディと互いに運転をし合えば、対等に会話も弾みそうだ。



ちなみに、リアにある+2シートは子供向けのサイズで大人は厳しい。荷物を置くかバックレストを倒して使うことを想定していた方が勝手が良いだろう。

「運転していて、まったく怖くない」


そんなことを考えながら、ぼーっとしているうちにスポーティな走りに移行するローマ。データによると、0-100km/h加速:3.4秒、0-200km/h加速:9.3秒。最高速度:320km/h。サーキットでもなければ、十分すぎるスペックだ。



「運転していて、まったく怖くない。だからこそ気を付けるんですけど」とベテランKさんが呟いた。助手席でもまったく同じ感覚。ドライバーの身体が拡張したかのように操作と動きの一体感がある。スポーツカーとしても、グランドツーリングカーとしても、ドライバーの意思で自在にコントロールできる。そして、この調子なら東京⇆名古屋は軽く行けそうなほど快適だった。

運転モード「マネッティーノ」は、ポルトフィーノでは3種類だが、ローマでは5モード(ウェット、コンフォート、スポーツ、レース、ESC=横滑り防止装置オフ)が選択可能。

このスペックをあえて普段使いするのはもったいないと思っていたが、どうやらローマはそこも慎ましやかに受け容れてくれる車らしい。

文:梅澤さやか 写真:高柳 健 Words: Sayaka UMEZAWA Photography: Ken TAKAYANAGI

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事