自治体と地方銀行とスノーピークがコラボレーション!地域の「リブランティング」とは?

Photography: Shinsaku YANO



2. 茶の実油の搾油と保湿クリームづくり

講師は「春日乃売茶翁/たねのしずく研究所」の山田さん。茶の実をご存じだろうか。茶を栽培するにあたり、手入れされ栄養が行き渡っている茶の木には花が咲かない。一方で耕作放棄(=放置されて荒れている)茶畑では茶の花が咲き、実がなるのだという。つまり実がなる茶の木は茶園にとっては恥の証となり、一般的に茶の花や実を見る機会は稀なこととなる。



揖斐川町春日地域では高齢化・後継者不足のために耕作放棄された荒れた茶畑が多く、その結果、多くの茶の実が実っている。この茶の実こそが地域資源だと着目されて誕生したのが茶の実油。オレイン酸とビタミンEを多く含み、保湿性も高く、化粧品の原料にもなり、食用も可能なオイルだ。休耕茶園に人が入り、荒れた茶畑から採れる資源を活かして地域を活性化することは、とてもサステイナブルな取り組みだといえるだろう。

専用の搾油機での搾油を体験する。抽出されたオイルを見つめる参加者の目は真剣だ。オイルをミツロウと混ぜて固めたバームづくりも同時に行われた。


3. 百草茶づくり

揖斐川町春日地域では古くより薬草文化が根付いており、世代を超えて伝承されてきた。この文化を守りたいと「五感で楽しむ伊吹薬草」をテーマに活動している「キッチンマルコ」の藤田さんと四井さんによるワークショップも開催された。





薬草きき茶を行ったのち、参加者が好きな薬草をブレンドしてオリジナルティーを考案するプログラムを実施。標高が高く寒暖の差がある地で育つため、薬草はとても香りが良く質も高い。





4. 春日森の文化博物館の見学(公共施設)

キャンプ場のある長者の里敷地内にある地域文化紹介施設である春日森の文化博物館も公開され、随時見学することができた。地域伝承物語のパネル展示や地域の祭、炭文化、薬草文化に関連する展示資料は一見の価値がある。叶うことなら、地域の文化を知る地元住民だけではなく、県外の別の場所で展示をして春日の文化を知らない人に見てもらうことができたらと感じたのは筆者だけだろうか。


文:オクタン日本版編集部 写真:矢野晋作

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