永遠の都 ローマからスタート!100時間で優勝を争うクラシックカーイベントレポート



レース初日は、ローマからペルージャへ。ローマ市内から郊外へ出ることでエンジンはウォームアップされ、1966年から続くリエーティ/テルミニッロというレースが開催される、ヨーロッパでも有数のヒルクライムで有名なその場所を舞台に2度のトライアルに挑戦。距離15kmで高低差1125m、平均傾斜8%だ。そして、ヒルクライムでアドレナリン全開の後は、好天の中、渓谷を通り秋の景色を眺めながらアッシジを通過し、ペルージャに到着し一日目のレースは終了。



二日目はペルージャを出発し、トーディ、オルヴィエート、マジオーネサーキット、コルトーナ、アレッツォと魅力ある町々を通りフィレンツェの町の中心オンニサント広場で終了。レース中は土砂降りにもあい、この日は多くの車両が様々な原因で、スローダウンしたり途中で離脱してしまった。三日目以降これらの車両がレースに戻って来れるかはサポートの人たちの腕と運次第という感じだ。





レース三日目はフィレンツェから出発してフィレンツェに戻るコース。ムジェッロサーキットから始まるが、雨から雷雨となり、その後レース再開されるも路面のコンディションは想像どおり大変滑りやすく、様々な状況にも慣れているドライバーたちも慎重にならざるを得ない。若干のインシデントなどはあったもののリタイアする車両はなかった。





その後はジオーゴ峠とコルナッキアイア峠でレースし、またフィレンツェへ帰る。この日は、フィレンツェのシニョーリア広場にあるベッキオ宮殿でパーティーが催される予定であったが、前日に出された政府令により、政府が指示する参加者数に対しての充分なスペースが確保できる場所へと急遽変更された。予期せぬ事態へのオーガナイーザーの対応の柔軟さが見て取れた。



最終日。まずはファッジオーラ山やサンブーカ峠でのレース。狭い道幅に加え、路面も乾湿混合、そして落ち葉もあったりで、滑りやすくとても難しいコースとなった。レース初日同様に難しいコースの後は秋の森の景色を眺めながらイモラまでの下りを楽しむ。今年、F1が帰って来たイモラサーキット内でのレース走行とランチの後は、最終目的地モデナの陸軍士官学校前のローマ広場を目指す。モデナはあいにくのグレーの曇り空ではあったが、そこに次々に到着するカラフルな参加車両たちが彩りを与えてくれた。激しいレースの名残が見られる痛々しい姿の車両もあったが、モデナに到着して誇らしげにも見えた。



このイベントはゼロエミッションを目標にした最初のクラシックカーのイベントで、機材等の提供者やパートナーも環境保護の観点から選択したり、レースで排出されるCO2の量をカバーするために木を植樹したりもている。さらに、収益金の一部は障がいのある子どもたちのスポーツ振興に役立てられている。レースだけでなく、様々なことにアンテナを張り、アイディアを実行できるオーガナイザーの元でのレースは、イベント参加者も安心して楽しめるだろう。今後も目が離せないイベントだ。


モデナ・チェント・オーレについて詳しくはこちら
http://www.modenacentooreclassic.it 

文:古川浩美(Ruoteleggendarie) 写真:Courtesy of Canossa Events & 古川浩美

文:古川浩美 写真:Courtesy of Canossa Events & 古川浩美

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