前代未聞!約70年前に世界中に衝撃を与えた3台がセットでオークションに!

RM Sotheby's

予算や現実主義に制限されことなく、コンセプトカーは才能のあるデザイナーに最もワイルドで進歩的なアイデアを具現化する機会を与える。芸術的なコンセプトカーを見ると、自動車が何であるかを再考してしまうものだ。

ファッションの世界と同様に、車のデザインは急速に進化している。デビューしてから60年以上に渡って魅力的かつ、スポットライトが当てられるコンセプトカーは少ない。しかし、ここに並んでいる3台、フランコ・スカリオーネによるアルファロメオ ベルリーナ・エアロダイナミカ・テクニカシリーズ(B.A.T)は今でも圧倒的な存在感を放っている。

1953年、1954年、1955年に発売されたこれらの車は、空気力学において先駆者的な存在であった。B.A.T.を生み出すまではほぼ無名だったデザイナー フランコ・スカリオーネが航空力学を学んでいたというバックグラウンドがあってこそ誕生したものだ。最適なパフォーマンスを実現する華やかな美学を備えたB.A.T.は熱狂的にマスコミや一般の人々に受け入れられた。また、自動車の世界で唯一、B.A.T.は3台からなる完全な作品である。他の2台のコンテキストを知りながら1台の車を調べると、それぞれのボディワークに組み込まれている魅力だけでなく、それらのフォームの新しい側面が明らかになるという、極めて芸術性の高いものだ。それぞれを見てみよう。


1953年 B.A.T. 5

最初のB.A.T.コンセプト。空気抵抗を考慮した視覚的に魅力的なデザインの作成に着手し、最終的にはドラマチックで壮観な車を作成した。後継車と同様に、ランニングギアはアルファロメオ1900から供給された。 5速マニュアルトランスミッションと組み合わされたこの4気筒エンジンは、約90馬力のパワーだったが、このボディラインにより、車の最高速度は時速125マイルにも達したという。この驚くべき性能は、信じられないほど低い0.23というCd値から分かるだろう。現代から見ても極めて低い数値である。ポンツーンフェンダー、ノーズベント、ラップアラウンドグラスコックピット、テーパーテールフィン、ホイールスカートがすべて組み合わされて、「この世のものではない」と考えられるデザインが誕生したのであった。



1954年 B.A.T. 7

1953年にB.A.T.5を発表すると、すぐにアップデートバージョンの製作が開始された。 最初のコンセプトの成功を受けて、スカリオーネはさまざまな特性を強調するように促され、フロントエアインテークを狭くし、フードを2インチ以上下げ、テールフィンを長くすると同時に、先端の角度ピッチを大きくしたのだ。後輪のスカートと目立つサイドベントは残っている。結果として得られたCd値は0.19で、前の設計よりもさらに低くなった。これは21世紀のスーパーカーの設計よりも低いが、1954年に風洞試験やコンピューター支援設計なしで達成されたというのは驚くべき偉業である。


1955年 B.A.T.9

この一台は、車を視覚的に見事なものにしたいという願望と、道路での使用に適用することを考慮して誕生した。リアの視認性を向上させるためにフィンのサイズを縮小し、後輪のスカートを排除してテーマである"実用的なグランツーリスモ"を作った。新しい顕著なベルトラインがリアに追加され、標準的な三角形のジュリエッタグリルがフロントグリルに取り付けられ、アルファロメオとしての車のアイデンティティも強調されている。デザインと実用性を兼ねた一台で、非常に高く評価されている。


これら3台は一時別々で所有されていたが、一人のコレクターが3台を順に購入しひとつのコレクションとしてブラックホークミュージアムで展示していた。そして、彼がこのコレクションを手放すことを決意し、B.A.T.5,7,9の3台セットで10月開催のオークションに出品される。推定落札額は、約14億7000万円~21億円となっている。次はどのような人が購入し、どのように保管されるのであろうか楽しみだ。

オクタン日本版編集部

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