「奇妙な時代」に最も好調!フェラーリの価格変動を見る

HAGI

今年ここまで最も好調なのは、疑問の余地なくフェラーリだ。HAGI(ヒストリック・オートモビール・グループ・インターナショナル)のフェラーリ指数(HAGI F)は、5月末に年初来15.19%の上昇を記録した。同時期に4%を超えたセグメントはほかになく、多くは1~3%程度のマイナスだった。
 
HAGI Fは6月に3.78%下がったので、半年で10.83%伸びたことになる。ちなみに世界株価指数を見ると、S&Pグローバル1200は同時期に7.12%のマイナスだった。HAGI Fの年初来の好調さを見て、成長がピークに達する前の2015年までの数字を思い出す人もいるだろう。だが、混同してはいけない。
 
当時、市場は次々に最高値を更新していたが、今やピークは過ぎ去った。HAGI Fのピークは2018年5月で、指数は362.88だった。2020年6月末の指数は342.88 。つまりピークから5.51%のマイナスである。実のところ、HAGI Fは2016年末から340前後で振れ続けている。その証拠に、対前年比は3.76%、3年間の成長率は4.53%に留まる。
 
HAGI Fが年初来10.83%のプラスとなった理由のひとつは、このメーカーの特徴にある。フェラーリは歴史的に、メーカー別セグメントの中で最も変動が激しく、値動きが速い。2019年末を見ると、HAGI Fは他のメーカー別指数や市場全体の指数に引き離され、追いつく必要のある状況だった。単にそれが起きただけなのだ。
 
昨今の奇妙な時代("奇妙"という言葉ではとても足りないが)を考えれば、最も変動の激しいメーカーの変動さえ劇的な変化に見えるかもしれない。しかし、もっと広い世界では地殻変動のような激震が走っており、それと比べれば何でもない。


HAGIフェラーリ指数は、収集価値のある主要フェラーリの価格変動を示したもの。縦軸は2008年12月31日を100とした指数。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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