「スーパースネーク」の魅力を余すところなく│シェルビー・アメリカン社のホールセールディーラー設立

圧倒的なパワーを持つアメリカ車を20年以上にわたって輸入、販売しているバズファクトリーが、シェルビー・アメリカン社のカスタマイズやパーツを日本で取り扱う正規販売店としての認証を受けた。バズファクトリー代表の岩谷氏は、これまでのノウハウを活かしながら、日本におけるアメリカ車と真摯に向き合っている。

マスタングにはシェルビーGTよりもさらにパワフルな"スーパースネーク"というモデルがあることをご存知だろうか。2016年をもってフォードは日本市場から撤退したが、しかしもちろん彼の地ではマスタングはいまも人気のモデルであり続けている。そして、キャロル・シェルビーによって設立されたシェルビー・アメリカン社から、マスタングをベースとした数々のモデルがリリースされている。フォードとシェルビーとの関係は 1960年代に遡る。フォードはマスタングでレースへ参戦するにあたりレーシングコンストラクターであったシェルビーにハイパフォーマンスモデルの開発を委託。 そうして生まれたのがシェルビーGT(GT350/ GT350R)だった。その後、いったんは関係が途絶えるも2005年、ふたたびフォードとシェルビーがタッグを組み、ニューヨーク国際自動車ショーでアンベイルされたのがシェルビーGT500だった。マスタングファンの心を鷲掴みにしたGT500は、その後カタログモデルとして現行世代にわたってラインアップされている。

吊るしのGT500に飽き足らないオーナーたちは、シェルビー・アメリカン社のパフォーマンスパーツを求めて本拠地のラスベガスへと向かうようになる。シェルビーとしてさらなる高性能モデルを手掛けるのは必然の流れだった。800馬力を超えるスーパーチャージャーを搭載、チューンドサスペンション、巨大なブレンボブレーキ、 鍛造アルミホイールなどでシェルビーGT500をさらに強化したスペシャルモデル"スーパースネーク"が生み出された。ちなみにシェルビーの名がつくすべてのモデルのエンブレムは、馬ではなくコブラが用いられている。そしていま日本へ、正規販売店によるシェルビープロダクトの導入が始まろうとしている。

2000年に創業し、約20年にわたってアメリカ車の輸入、販売を手掛けてきたバズファクトリーが、シェルビー・アメリカン社から正式に「シェルビー・アメリカン・ホールセールディーラー・イン・ジャパン」の認証を受けた。同社は過去にはサリーンの正規代理店として、また現在もキャロル・シェルビー公認のもとライセンスド・コブラを製造する「Superformance」の正規代理店として、ビジネスを展開してきた実績をもつ。

バズファクトリー代表の岩谷倫延さんと本国社長のゲーリー・パターソンさん。

契約の際に訪れた、シェルビー・アメリカン社のラスベガス本社にて。

これまでのノウハウは、もちろんシェルビーにも活かされている。この誌面で紹介しているのが、シェルビーの正規販売店として輸入、販売を手掛けた第1号車となる2014年式のスーパースネークだ。第6世代のマスタングのスタイリングが好みというオーナーの要望によってこの年式のモデルが選ばれたという。そもそもがレーシングコンストラクターという出自だけあって、シェルビーの仕事は微に入り細にわたって手が入っている。ボンネットを開き、オイルキャップひとつを見るだけでそれがわかるだろう。

ブルーのエンジンヘッドカバーが特徴的なSVT 謹製V8ユニットのあいだに収まるシェルビーオリジナルのスーパーチャージャー。クーリングパッケージとして大型のラジエーターやアルミ製クーリングタンクなどが備わる。

850馬力もの大パワーを支える足元には、シェルビー純正の20インチ鍛造ホイールが備わる。タイヤはミシュランのパイロットスーパースポーツ。サイズはフロント255/ 35 ZR20、リアは295/35 ZR20。


そしてスーパースネークの最大の特長が、スーパーチャージャーによって、850馬力にまで強化されていることにある。もちろん、それに合わせてシャシーやブレーキを強化することにもぬかりはない。しかし、日本で販売するにあたってひとつ課題となったのが、スーパーチャージャーなどのシェルビーで施されたカスタマイズだ。バズファクトリーではスーパースネーク本来のパワー、オリジナリティを損なうことなく、日本の公道を走行可能な改良を加えている。

硬質で粒の揃ったようなエグゾーストノートはいかにも精密な内燃機関をイメージさせるものだ。これに続いて近日中には鮮やかなブルーをまとった2020年モデルのシェルビーGT500も上陸予定という。またシェルビー・アメリカン社と連携をはかりながら、バズファクトリーが持つ認証整備工場でシェルビー・アメリカン純正パーツを使って国内にあるマスタングをカスタマイズしていく事業をスタートしている。シェルビーに興味のあるマスタングオーナーは、ぜひ相談してみるといい。

基本はオリジナルを踏襲するインテリアのAピラーには、ブースト圧、燃料圧、オイル圧を示す3連メーターが備わる。スピードメーターの文字は、220マイル、360km/hまで刻まれている。

米国ネバダ州ラスベガスに拠点を置くシェルビー・アメリカン社で組まれたことを示す公認プレート。CSMナンバーによると、2014年式のスーパースネークとして26番目の個体であることがわかる。

さらに朗報なのが、今年7月に発表された新型フォード・ブロンコもバズファクトリーは輸入、販売を手がけるという。日本への上陸もそう遠くないタイミングで実現する予定だ。ジープがひとり気を吐く日本のアメリカ車マーケットだが、マスタングやブロンコ、ダッジなど最新のモデルには大いに注目だ。アメリカ車を食わず嫌いしていた人も一度バズファクトリーをのぞいてみてほしい。そこに居並ぶ最新のアメリカ車は、シンプルにプロダクトとして力強く、ワクドキ感がある。


シェルビー・アメリカン・ホールセールディーラー・イン・ジャパン
〒350-1121 埼玉県川越市脇田新町7-7
TEL:049-238-8110
info@buzz-factory.net
http://www.buzz-factory.net/shelby/index.html
https://www.instagram.com/shelbyamerican_wd_japan/

文:藤野太一 写真:高柳健 Words:Taichi FUJINO Photography:Ken TAKAYANAGI

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