車重の軽量化のため盛大に穴が開けられていた? 1923年にレースデビューした車

Photography: Paul Harmer

この車はアルヴィス12/50をベースにして、1923年の200マイルレースのために3台が造られて、同年ワークスドライバーのモーリス・ハーヴェイのドライブで最高速度93.25mphを記録して優勝を飾ったモデルの後継車である。

OHV1496ccエンジンは再び12/50のエンジンをベースとし、ドライサンプに変更されている。デフ無しのリアアクスルにシングルのドラムブレーキを、同様にあまり役に立たない4速ギアボックスの後方にトランスミッションブレーキを備えていた。特製の低床式シャシーには盛大に軽量穴が開けられ、車重は560kgちょうどだった。
 
1924年のレースでは、アルヴィス・チームは6、7、8位でフィニッシュし、6位に入ったのはこの車そのもので、ドライブは航空エンジン設計者のフランク・ハルフォードだった。7位はミスター・ブルックランズことサー・アリステア・ミラー、8位には前年の優勝者モーリス・ハーヴェイが入った。この年はスーパーチャージャー装備のタルボ・ダラックの独壇場だった。トップのケネス・リー・ギネスに、ジョージ・ダラーとヘンリー・シーグレイヴがフォーメーションを組む。ACのJ.A.ジョイスが4位、5位はレオン・クッシュマンのブガッティ。


 
このシャシーナンバー2391は、また1927年の200マイルレースミーティングでダンロップが実施したレーシングタイヤのテストと、レーシングドライバーのポール・エリック・デュ・トイによるスキッド・デモンストレーションで使用された。その後、数人のオーナーによってレストアとクラシックレースへの参加が続けられ、直近ではレーシングドライバーでビスターのダイレクターでもあるフランシス・ガラシャンが購入した。

編集翻訳:小石原耕作(Ursus Page Makers)  Transcreation: Kosaku KOISHIHARA (Ursus Page Makers) Words: Allan Winn Photography: Paul Harmer 取材協力:ブルックランズ・ミュージアム、ジェームズ・チェーン、 フランシス・ガラシャン、ロバート・グラバー、ジュリアン・テーラー、キース・テーラー。

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