北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│第7回 ちょっとした故障

シトロエン2CVに乗っているというと、「故障しませんか」「お金がかかりそうですね」と(なぜか嬉しそうに)聞いてくる方は多い。しかし残念なことに(?)実際のところ2CVは適切な整備を行っていればそんなに壊れない。長年、世界中で多くの人々から愛されてきた車だけに、2CVの壊れやすい箇所、部品は概ね特定されているからだ。

純正品にこだわらなければ大半の部品は手に入るし、中には純正品よりもクオリティや耐久性が高いサードパーティ製品もある。複雑な電子部品に無縁の車だからパーツの値段だって高くないものが大半だ。入手先も日本ならダックハウス(http://dac.neortic.org/index.html)やモンテカルロ(http://montecarlo.cart.fc2.com/)あたり、海外にも有名な2CVパーツ通販サイトがいくつもある。あとはノウハウを持った整備工場を知っていれば、(筆者のように)自分で直す腕が無くても2CVはそんなに苦労なく維持できるのである。

とはいえ、過去を振り返るとわが2CVも走行中にキャンバストップが飛んだり、高速道路で突然失速したり、シートが抜けたりと、人々を喜ばせるネタが結構あるのも事実だ。2CV乗り、シトロエン乗りに共通する悪い癖、いや"サービス精神が旺盛"と言い換えるべきかもしれないが、故障ネタはやはり盛り上がる。盛り上がるからついつい話してしまう。そう、悪い癖だとわかってはいるものの、今回は室内灯をめぐるネタができたのでさっそく皆さんに報告することとしよう(笑)。



例年、夏のこの時期は自宅近くに借りている屋根付き車庫で寝ていることの多い2CV。もちろん2CVは暑くても問題なく動く。モンダイなのは筆者の体力と気力の衰えなのだ。とはいえたまには動かさないといけない。そうだ、この連載用に近所で夏らしい写真でも撮るか、と思い(車庫の中が上の写真のように暗いので)室内灯を点けようとしたら、なんとスイッチが折れてしまった。







どうやら、このプラスチック製のスイッチレバーは鬼門のようで、周囲の2CV乗りに尋ねると多くの人が破損・交換しているようだ。

新車から30年だから、わが家の2CVはよく持ったというべきだろう。さっそく交換パーツを手配しようかと思っていると、知り合いの2CV乗り、仮にモリヤさんと呼ぶことにしよう、そのモリヤさんが「直せば良いじゃん」といってきた。いや折れたレバーは接着剤では耐えられそうにないし、サードパーティ製なら数千円でパーツがあるし、と言い訳する筆者に送られてきたのが下の写真だ。





薄いブルーに妖しく光る室内灯、なんとLED仕様だ。モリヤさんは以前、Mac雑誌の編集者だっただけに電気モノにはうるさい。秋葉原でもあちらこちらで顔が利くらしい。

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