アルファロメオが110周年をまとめた「E-Book」を発表 その裏にいる「歴史の伝承者」

FCA



イタリアではフェラーリにもポルシェにも認められていないアルファロメオだけの特権的な呼び方で幼児期からのファンを指すというが、これでいけば母の胎内にいる時からアルファのエンジン音を聞いた彼は、「生まれる前からアルフィスタ」と呼べるかもしれない。
 
まさに相応しい場所で相応しい仕事に就いたアルディツィオ館長、加えて言えば彼は物事の節目にマッチする幸運の持ち主でもある。ミュージアムに入ってすぐリニューアルを任され、自分の理想とする博物館を作り上げた。タイムライン、ビューティ、スピードという同社のDNAに沿って区分けする展示方法を実現したのである。今年のメモリアルイヤーにはFCAグループ・デトロイト広報との協力のもとE-Bookを制作した。

同社の歴史を端的に語ったエッセンシャルな電子書籍だ。コロナ禍にぶつかったことでイタリアでの祝賀行事も本の刊行会見も見送られたが、代わりに欧州はじめオーストラリア、中国、日本など国別のリモート記者会見を実施した。転んでも転んでも、必ず新しいアイデアを見出し立ち上がるのはアルファロメオの歴史の中で何度もおこなわれてきたことだが、今回も同様。リモートにしたことで、より多くの人々と出会うことになった。

 
会見ではジュリエッタの名前の由来、戦前のパリ工場のことなど、ジャーナリストからの細かな質問にもスラスラ答えて博識を披露したが、参加者の胸に届いたのは何よりこの館長の存在だと思う。「こういう人がいる」。110年の歳月の語り部は36 歳の若きアルフアルファロメオ・ミュージアム 館長 ロレンツォ・アルデイツィオ氏 ィスタだ。

文:松本葉 写真:FCA Words:Yo MATSUMOTO Photography:FCA

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