ド派手!ピンクだらけの世界一有名なカスタムカー│作られた目的とは?

casey maxon

アメリカのバンド、ウォーの曲に「Low Rider」と名付けられたものがあった。大ヒットとなり、ひとつのカルチャーにすらなった一曲だ。

その主人公、“ローライダー”(車高を低くすることをメインにアメリカで流行した改造の通称)は一時、ヒスパニック系の人々のあいだでムーブメントを巻き起こしていた。1950年代のアメリカでは“ドリームボートカスタム”という改造も流行っていた。そうした中で、ディーン・ジェフリーズやバリス兄弟など“キングオブカスタム”と呼ばれるカスタムのプロたちが出現してきた。彼らが行うカスタムはすべてが新しく、ルーフを切り取ったり、何もかもクロム加工したり、車高をフレームが地面につきそうなまで低くしたり、ボディを削ったり、というようなものだった。そして、これらは1950年代の大富豪たちがこぞって購入し、一種のステータスにもなったのだ。現代にも続いているローライダーのスタイルが生まれたのは1960年、70年代のことである。カリフォルニア州ウィッティアをはじめとして広まっていった。



見た目からか、ローライダーには“ギャングが乗っているのではないか”といった悪い評判や誤解が多い。しかし、自動車のスタイルという枠を超えて、「文化」であり「ライフスタイル」であるのだ。決して、速いとも、乗り心地が良いともいえないがそれ以上の何かがローライダーにはある。一台一台に、メタルフレークのキャンディペイント、イラスト、ピンストライプなどで個性溢れたカスタムが施されている。エンジン、ホイール、トリム、ほとんどのものが惜しげなくクロム加工されており、カスタムする職人たちが全身全霊で挑戦したアート作品以外の何ものでもない。

オクタン日本版編集部

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