吉田由美の試乗レポート!「ボルボ XC60の新スタンダード」~B5 AWD Inscription~

Photography: Ryota SATO



というわけで、ここからは実際に試乗しての話も混ぜながらご紹介します。ドライブモードを「エコモード」にすると、右側のエネルギーを常時するメーターパネルが緑色になり、走行中の状態が分かります。アイドリングストップ機能が強化され、エアコンも弱めに。しかも、「コンフォートモード」に比べて車高が10㎜下がって、空気抵抗を減らします。さらに「エココースト機能」は、エコモード+Dレンジで、車速が約65~140㎞内のときにアクセルを離すと、フリーホイール機能が作動し、エンジンブレーキが解除されて燃費が向上します。その時、メーター内に「コースティング」と表示されますが、実はこの「エココースト機能」はほかのボルボ車にも搭載されている機能ですが、ボルボオーナーの私でさえ最近まで自分の愛車にも搭載されていることに気づかなかったという、隠れた燃費向上のアイテムです。そしてブレーキを踏んだ時には右のメーターの下部分にある電池マークがブルーになり、電池が充電されているマークが表示されます。



「ダイナミックモード」では、アクセル、ステリング、トランスミッションのレスポンスが向上するので、高速道路を走行する場合にはこのモードがおすすめ。普段は「エコモード」にしている私も、高速道路では「ダイナミックモード」にします。エコモードのままだとブレーキの利きが少し甘いと感じることがあるので、しっかりブレーキを利かせたい場合はこちら。アイドリングストップ機能がオフになるのでご注意を。

そして「オフロードモード」もありますが、これは残念ながら使用する場面無し。急な坂を下りるときにはヒルディセントコントロールが自動的に作動します。残念ながら高速巡航時に気筒休止になったと思われるシーンがありましたが、休止されているかどうかは気を付けていても全くわかりません。



「XC60 B5」は、エンジンを掛けた瞬間も走り出した瞬間も、走っているときも、どんなシーンでもスムーズ。いろいろなシーンで機能がサポートしてくれていることを気づかせない「さりげなさ」。さりげないといえば、「B5」とわかるのはリアのバッヂだけ。でも、これがボルボの新スタンダードモデルなので、敢えてこうしているのかも。



というわけで、ボルボXC60は、これでクリーンディーゼルモデルの「D4」、プラグインハイブリッドの「T8 Twin E」、そして48Vハイブリッドの「B5」。日本導入はまずはレザーシートなど高級グレードの「B5 AWD インスクリプション」、そのうちカジュアル内装の「B5 AWD モメンタム」が導入されるそうです。そちらも大いに気になります。



そして私が考えるボルボの車の魅力。エクステリアのデザインも素敵ですが、驚くのはドアを開けてから。車内がどんな色のシートであろうと、漂うクリーンな空気感。北欧は冬になると日照時間が短くなるため太陽が恋しい国だからか、車内は明るく清潔感があります。そしてハンドルを見てもACCやほかの機能に対しての説明文字が全く無くて、グラフィックのみ。

でも、それだけでも使い方がわかってしまうデザイン性の高さ。「ボルボXC60 B5」にもそんな魅力がまるっと詰まっています。


XC60 B5 AWD Inscription
ボディサイズ:4690×1900×1660mm
ホイールベース:2865mm
車重:1890kg
エンジン冷直列4気筒DOHC 16バルブ  [ガソリン]+電気モーター
最高出力:184(250)/5,400−5,700[ECE]
最大トルク:350(35.7)/1,800−4,800[ECE]
変速機:8段AT
駆動方式:AWD
車両本体価格 734万円

文:吉田由美 写真:佐藤亮太

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