916bhpの最高出力と3.5Gのコーナリングフォースを体験!│マクラーレン P1に試乗した時のこと

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自動車は今後、どのように進化していくのだろう。これからも新たな発見が続き、今まで通り進化していくのだろうか。それとも規制や法律の影響で頭打ちになる時が来るのだろうか。
 
どんなに優れた性能を持つ車でも、その真の実力を試す機会はほとんど無いと言っても良いだろう。だから、数値としてのスペックに満足できる人でなければ、大金を払ってハイパーカーを所有することはナンセンスいうことだ。特にオクタン思考の人にとっては、公道でも十分なスリルと楽しみを味わえる車のほうが魅力的に思えるだろう。筆者も、もちろんそういう考えの持ち主だった。マクラーレンP1の実力を実際に体験するまでは…。
 
ダンスフォールド飛行場で行われたマクラーレンP1の試乗会に参加した。短い直線で180mphに達したとき、まるで映画を見ているような錯覚に陥った。チーフエンジニアのクリス・グッドウィン氏が運転するP1の助手席で、私の車の実力、916bhpの最高出力と、3.5Gのコーナリングフォースを思い知ったのだった。彼はレースモードのスイッチをONにし、7速パドルシフト、ダブルクラッチギアボックスのマニュアルモードで運転する。「楽しいから」というのがその理由だ。
 
その楽しさをさらに増大させる方法がある。アクセルを床まで踏み込みながら、ハンドルにあるIPAS(インスタント・パワー・アシスト・システム)ボタンを押すのだ。P1は通常、739bhpの3.8リッターV8を179bhpのモーターで補いながら走行しているのだが、ひとたびIPASボタンを押すと、モーターに大出力が送り込まれ、パワーがブーストされるのだ(ただし、充電が十分な場合に限る)。とはいえ、充電残量が維持されるトラックオートモードでも十分すぎるくらいに速いことは言うまでもない。
 
2.8秒で62mphに達し、そこから一気に217mphまで加速する。凄まじい加速度だ。まだ正式にタイムを計測したわけではないが、ニュルブルクリンクでも一番早いタイムを叩き出せるだろうと、グッドウィンは自信を持って言う。強烈なGを感じながらコーナーを旋回し、シケインを軽々と抜け、強烈なダウンフォース(150mphで600kg。DRSボタンを押すと、更に増大)を体感すると、P1の数値はどこか学術的なものに思えてきた。
 
しかし、1点だけ思うことがある。広報写真のP1は黄色と黒のツートーンカラーだが、あの色は好きじゃない。私が乗ったのは真っ黒だったのだが、危険な香りが漂っていて、とても魅力的だったのだ。

Words:John Simister

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