威風堂々たるエクステリア│「格好よくなった」ベントレー コンチネンタル GT V8の魅力 

Bentley motors


 
ところで、ボディサイドに刻まれた2本のキャラクターラインは極めてシャープで、手で触れると指先が切れてしまうのではないかと心配になる(もちろん、そんなことはない)が、これをアルミ製ボディパネルで実現するにはひとかたならぬ技術が必要となる。なぜなら、アルミはスチールと違って一度型に沿わせて成型しても、もとの形に戻ろうとする性質が強いからだ。ここでベントレーが用いている加工法がスーパーフォーミングである。これは加工するボディパネルを一旦500℃まで熱して柔らかくした後、空気の力で型と密着させて成型するもの。ベントレーではかねてよりこの"スーパーフォーミング"を用いていたが、技術の熟成を図ることでこのような精緻なボディパネルを加工できるようになったという。


 
リアエンドのデザインはすっきりとしてシンプルだ。特徴的なのは、楕円形のテールライトを左右の遠く離れた位置に配することでボディのワイド感を強調している点。ちなみに、トランクリッドの中央部分にベントレーのトレードークである“ウィングドB”とともにBENTLEYの文字が掲げられているが、これはベントレーの歴史を振り返っても、ごく一部の限定モデルを除けばかつてなかったことという。これもまた、新時代デザインの息吹を感じる部分といえる。


 
実は、3代目コンチネンタルGTのプロポーションでもうひとつ重要な役割を果たしているのが前輪の位置。先代に比べて実に135mmも前方に移動しているのだ。結果としてフロントオーバーハングがまるでスポーツカーのように短縮され、視覚的にも軽快感が強まった。これが運動性能の向上にも大きく貢献しているのだが、それは次回以降で紹介しよう。
 


それにしても、これほど華麗で質感が高く、そして威風堂々とした2ドア・クーペ(もしくはコンバーチブル)がほかにあるだろうか。この重厚さと軽快さの絶妙なバランスにこそ、新型コンチネンタルGTの魅力が秘められていると思う。


 
ところで、この記事は3代目コンチネンタルGTに追加されたV8モデルを紹介するものだが、V8であることを示す外観上の特徴はフロントフェンダーに添えられた小さなV8のバッジと、W12モデルでは楕円形をした排気系のテールパイプが8の字を横倒しにしたような形状くらいしかない。なぜなら、それ以外の部分はベントレー自慢のビスポーク・プログラムによって仕上げだろうと塗色だろうとオーナーの思うとおりに変更できるからだ。これもベントレーの伝統に根ざした見逃すことのできない特徴というべきである。


ベントレー コンチネンタルGT V8(※本国発表値)
ボディサイズ:4850mm×2187mm×1405mm
ホイールベース:2851mm
車両重量:2725kg
エンジン形式:4.0リッター V8 ツインターボチャージド
排気量:3996cc
駆動方式:アクティブオールホイールドライブ
変速機:8段DCT
最高出力:550ps/6000rpm
最大トルク:770Nm/2000-4000rpm
最高速度:318km/h
2498万1000円


ベントレー コンチネンタルGT V8コンバーチブル(※本国発表値)
ボディサイズ:4850mm×2187mm×1399mm
ホイールベース:2849mm
車両重量:2800kg
エンジン形式:4.0リッター V8 ツインターボチャージド
排気量:3996cc
駆動方式:アクティブオールホイールドライブ
変速機:8段DCT
最高出力:550ps/6000rpm
最大トルク:770Nm/2000-4000rpm
最高速度:318km/h
本体価格:2736万8000円   


ベントレーモーターズ

文:大谷達也  Words: Tatsuya OTANI

文:大谷達也 写真:ベントレーモーターズ

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