旅する古い車にこそ必要なモノ│最新・高機能なケンウッドのドライブレコーダーを横浜で試す

Photography:Ken TAKAYANAGI

自動車用品のなかでもドライブレコーダーが人気なのはご存知の通り。煽り運転や万が一の事故の際の記録、そして駐車時のいたずら防止など防犯グッズとして注目を集めることの多いドライブレコーダーだが、高機能な最新タイプであればドライブ映像を残すためにもその価値がある。今回は、春間近の横浜を舞台にケンウッドの最新モデルを試してみた。

首都高をグルグル回るのが好きな人から、秘密のガレージにピッカピカの愛車を並べる人まで、車好きにもいくつかの派閥がある。自分は「車で旅するのが好きな」派だ。
 
新車から30年の付き合いとなるシトロエン2CV、北は秋田から南は九州まで13万キロを一緒に走った。30歳を超えたあたりから趣味にスノーボードが加わったことや、地球温暖化の影響による夏の暑さ(本当は筆者の体力と気力の衰え)もあって、最近はセカンドカーの地位にあるものの、それでも月に数回はドライブに連れ出している。空冷フラットツインの軽快なエンジン音とシトロエン一族らしい素晴らしい乗り心地はいつまでたっても飽きることがない。
 
そんな「車で旅するのが好きな派」としては、ドライブレコーダーは登場したときから注目のアイテムだった。もちろん、防犯グッズとして期待したのではない。ドライブ映像を手軽に残すことができるのではないか、という点でドライブレコーダーに注目したのだ。ポイントはなんといっても、その手軽さだ。家庭用のビデオカメラやウェアラブルカメラと違って、自動車用として取り付けや操作方法が最適化されている。


前方視界を妨げず、映像の確認もしやすい「ちょうどいい」サイズの2.7Vモニターを備えた本体。右側にある4つのスイッチで画面切り替えや写真撮影が可能。
 
リアカメラが増設できるタイプが出てきて、その魅力はさらに高まった。これを使えば車仲間とのドライブで「引っ張り撮影」(前走車から対象車を撮影する自動車媒体の業界用語)も可能だ。とはいえ以前、友人に撮影してもらったドライブレコーダーのリアカメラ映像は、スマホで見ても目立つ画像の粗さとコントラスト変化への対応の不十分さなど、少々期待はずれだった。しかし最近は、フロントはもちろん、リアカメラさえもフルHDのモデルが出てきている。
 
2CVにドライブレコーダーを装着していなかったのは、その映像が(以前は)期待よりキレイでなかったことが表向きの理由。本当はシガーライターソケットすらないプリミティブな2CVへの取り付けが面倒だったことを正直に告白する。自慢ではないが電気配線は苦手だ。テスターすら持っていない。2CVにはカーステレオ、ETC、タコメーター、油温計、間欠ワイパー、いろいろ電装品を後付けしているがいずれもお店や友人の助けを借りた。
 
今回、ケンウッドさんから最新のドライブレコーダーを2CVで試してみませんか、と声を掛けられたときに、真っ先に頭に浮かんだのは電源をどうしよう、ということだった。テスト後に返却することを考えるとシガーライターソケットから取るのがいいのだが2CVにはそれがない。21世紀に入ってから20年近く経っているのに後付けのシガーライターソケットなんて売っているのだろうか、そして自分で取り付けられるのだろうか。
 
しかし心配は無用だった。自動車用品店には「ドライブレコーダー用」としてシガーライターソケット、ではなくアクセサリーソケットという名前で製品が並んでいた(そういえば最近の新車にはソケットはあってもシガーライターが見当たらないものがほとんどだ)。懸念していた電源取り出しもメーター裏から出ている配線の中に予備コネクターがあったことを思い出した。ボディむき出しの部分が多い2CVなのでアース線を取るのも簡単だ。もっと早くやれば良かった。


F値1.8という優れた光学性能を持つ超広角レンズ。さりげないKENWOODの文字が誇らしいと感じる方は車好きの証拠だ。車載電源ケーブル(別売り) を使用すれば、最長24時間の衝撃及びレンズ範囲内の動体の監視が可能。
 
ドライブレコーダー自体の取り付けも1時間かからずに終わった。強靭な両面テープのおかげでフロントカメラもリアカメラも固定はバッチリだ。2CVの場合は内装トリムという概念がないので、リアカメラへの配線に苦労はない。天地方向に狭い2CVのフロントウインドウでも存在感を主張しないフロントカメラのコンパクトさもよろしい。かくして準備は整った。

文:馬弓 良輔 写真:高柳 健 Words:Yoshisuke MAYUMI Photography:Ken TAKAYANAGI

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