007に登場するアストンマーティンに試乗!│あのボンドカー DB5のスタントカーは?

Aston Martin



今回のイベントではDB5スタントカーのほかにもオリジナルのDB5とV8、そしてDBSスーパーレッジェーラにも同じストウ・サーキットで試乗できた。車の印象は、もちろん3台でまったく異なる。DB5のエンジンはムービングパーツがしっかりとオイルに浸かっているようなシットリとした感触。ただし、回り方は極めて滑らかで上品。トルク特性もフラットで扱い易かった。


 
いっぽうのV8はまるでレース用にチューニングされたシボレー製スモールブロックのように軽快によく吹け上がる。いかにもムービングパーツが軽そうだが、やはり回り方はスムーズで雑な印象を持たない。エンジンは回せば回すほど元気になるものの、だからといって中低速でトルクが不足することもない扱い易いエンジンだ。


 
DBSスーパーレッジェーラのV12ツインターボ・エンジンはこれらとは別次元の鋭い吹き上がりと圧倒的なパワーを誇る。けれどもやはり回り方は官能的でドライバビリティは高い。そしてGTモードであればエンジン音も決して大きくなかった。この辺もDB5やV8と共通の傾向といえる。
 
同時代のスーパースポーツモデルに乗れば、エンジンのフィーリングはより刺激的だったかもしれない。けれどもアストンマーティンはあくまでもグランドツアラーである。だからパワフルであってもうるさかったりバイブレーションが過大であったりしてはいけない。トルク特性も高速巡航が得意なフラットタイプが好ましい。こうした美点がDB5、V8、DBSスーパーレッジェーラの3台に見事に共通していることこそ、アストンマーティンのアイデンティティというべきだろう。
 
そして3台は文句なしに美しい。これも時代を超えてアストンマーティンに受け継がれた遺伝子であるに違いない。

文:大谷達也 写真:アストンマーティン Words:Tatsuya OTANI Images:Aston Martin

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