400万円をかけて5年間のレストア│38年前に家族で所有していた車を甦らせる

Lynn Pfenning's

レン・プフェニングは、かつて父親が所有していた車を5年間探し求めた末に取り戻し、400万円をかけてフルレストアを行ったという情熱的なエンスージアストである。

彼の父であるマーヴィンは1967年にVW Type3 ファストバックを2200ドルで購入し、牛と衝突してしまった1965年 ビートルから乗り換えた。毎日のように乗り、とても気に入っていたそうだ。レンは、「私に任されていた毎週土曜日の役目は、教会に行く前に車を洗うことでした」と昔の思い出を振り返る。

プフェニング家にとって大事な存在となっていたType3を、1975年に近所のファーマーへ手放した。後に、レンの友人でもあったファーマーの息子へ車は譲られた。学校を卒業すると、Type3を農業用の車として使用していたそうだ。ここでの使用は泥まみれになることも多く、傷みを進めさせる原因にもなったという。

レンは卒業後に自動車業界へと進んだが、日に日に空冷エンジンへの愛が高まっていった。そして、ある日かつて家族のもとにあったType3を取り戻そうと考えたのだ。ちなみに、彼は現在、3台の車を所有しており一台は1963年 ビートルだという。空冷好きはDNAで受け継がれているわけだ。

そして、彼の父がType3を手放してから38年が経ったある日、どこにあるかを発見する。見つかったときは、廃屋の外に放置されていた。エンジンは所々ダメージが大きく、一部は燃えた形跡もあった。それでも、オーナーは売りたがらず、何度か交渉が必要だったという。

「まるでたまねぎの皮を一枚ずつはがしているような気持ちでした。そして、再度すべてを戻して綺麗にしたんです」と話す。

フルレストアには、約400万円がかかった。この費用をまかなうために、レンは遅くまで働き、他の人が長い休みを取っている間も働いた。加えて、週末はボディのリペアにほとんどの時間を使っていた。「サビはすべて落として、新しいメタルに変えました。ナットやボルト類も交換したり、新品同様まで綺麗にしたりしました。頼んでいるメカニックはいたのですが、ただ単にお金を支払うだけでは嫌だったのです。なので、頼んで私でもできることは一緒に手を汚しながら作業をさせてもらいました」と話す。 



エンジンもリビルドして、インテリアはツイードのものに。オリジナルカラーはブランズウィックブルーだったそうだが、ホットロッドをイメージしたキャンディーワインへと塗り替えた。

2018年7月に完成し、喜ぶ父親と共にノースダコタで開催されたイベントの記念パレードに参加したそうだ。Type3は無事に、再びプフェニング家に仲間入りしたのであった。

オクタン日本版編集部

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