最大斜度39.4度の氷のコースを滑り降りる!エキサイティングな「レッドブル・アイスクロス」開催

ⓒJoerg Mitter / Red Bull Content Pool

「アイスクロス・ダウンヒル」が日本に帰ってきた。昨シーズン、横浜でアジア初の開催を実現した「Red Bull Crashed Ice(レッドブル・クラッシュド・アイス)」が、今シーズンはその名称を「Red Bull Ice Cross World Championship(レッドブル・アイスクロス・ワールドチャンピオンシップ)」に変え、再び横浜・みらとみらいを熱くした。

ⓒJoerg Mitter / Red Bull Content Pool

2001年にレッドブル・クラッシュド・アイスとして始まったこの競技は、2010年からは世界選手権として開催されている。アイスホッケー、ダウンヒルスキー、スキークロス、スノーボードクロスの要素が取り入れられた競技で、選手はヘアピンカーブやバンクコーナー、連続バンプや段差などの障害物をかわしながら氷の特設コースを滑り降りる。その最高時速は60~80キロになることもあるというエクストリームなスポーツだ。世界選手権は規模と獲得ポイントでATSX 100、ATSX 250、ATSX500、ATSX 1000の4クラスに分かれ、ATSX 1000をレッドブルが主催する。20年の歴史を重ねるにつれてその規模や人気は拡大し、これまで51カ国から1000人以上が大会に参加している。

ⓒJoerg Mitter / Red Bull Content Pool


横浜の特設コースの高低差は22メートル、距離は350メートル。スタート台の高さは12メートルで、最大斜度は39.4度という、みなとみらい地区に突如出現した氷山のようなコースは迫力満点だ。2月の開催にもかかわらず、決勝前の数日の気温は温かめだったこともあり、コースの氷が溶けてしまうのではないかとも危惧されたが、スタッフのメンテナンスにより良好なコースコンディションで決勝を迎えることができた。

コースの冷却システム。ⓒJoerg Mitter / Red Bull Content Pool

ⓒMihai Stetcu/Red Bull Content Pool

決勝は2020年2月15日(土)に開催された。15時の開場とともに多くのファンが入場し、この日の来場者数は約7000名となった。かぶりつきでレースを観ることができるコースサイド最前列の場所を早い時間からキープする熱心なファンや、協賛各社のアトラクションを楽しむ家族連れ、人気芸人たちによる絶対「滑れない」お笑いやサイドアクトのフリースタイル・フットボール、BMX、フリースタイル・バスケットボール、ブレイクダンスやダブルダッチなどのパフォーマンスを観る人たちなど、さながらフェスのような感覚で思い思いの時間を過ごしながら、18時の決勝スタートのときを待つ。

急斜面を上るスバルXVに同乗することができるコンテンツは行列ができるほどの人気。

簡単にレースの流れを説明すると、1日目に予選が行われ(予選は一般非公開)、2日目の決勝に出場する選手が選ばれる。決勝では男子は64名、女子は16名の選手が、4名1組でのトーナメント形式で戦うことになる。4名のうち上位2名が次戦に進出する形で、64名が32名に、32名が16名に、16名が8名に絞られ、準決勝、決勝と勝ち進んでいく。

日本のアイスクロス第一人者の山本純子選手も参戦した。ⓒAndreas Schaad/Red Bull Content Pool

ATSX 500 モン・デュ・ラック(アメリカ)で優勝した山内斗真選手は惜しくも決勝一回戦で敗退。ⓒJoerg Mitter / Red Bull Content Pool

勝敗はスケート靴の刃の先端がゴールラインに触れた時点でゴールとして判定されるため、ギリギリで競っているときには、ゴール地点でスライディングの姿勢で可能な限り足を伸ばして滑り込む選手も多く見られる。接触でクラッシュすることもあり、反則行為だと思われる場合はゴール後に選手が赤いボタンを押してプロテスト(抗議)し、ビデオ判定で決着がつくこともある。接戦であるだけに接触する確率は必然的に高くなり、高レベルでの熾烈な争いが何度も展開された。

ⓒMihai Stetcu/Red Bull Content Pool

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ⓒMihai Stetcu/Red Bull Content Pool

レースは、男子1位:キャメロン・ナーズ、2位:カイル・クロクソール、3位:スティーブン・コックスという結果に。2016年、2017年、2019年のアイスクロス・ワールドチャンピオンで、昨年の横浜開催でも優勝したキャメロン・ナーズは、ライバルであるクロクソール兄弟やダラーゴ兄弟と接戦を繰り広げ、彼のアイスクロス歴のなかで20回目の勝利を手にした。

ⓒJoerg Mitter / Red Bull Content Pool

女子も接戦となり、ジャクリーン・レジェールとアマンダ・トルンゾというワールドチャンピオンの2名を押さえてマクシー・プランテが優勝を遂げるという、予期せぬ結果で盛り上がりを見せた。

ⓒMihai Stetcu/Red Bull Content Pool

ATSXの2019/2020シーズンは、次回は2月22日(土)にル・マッシ・ド・シャルルヴォア(カナダ・ケベック州)にて、3月にはイゴーラ(ロシア)、アルプ・ディ・シウシ(イタリア)、モスクワ(ロシア)で開催される予定だ。

オクタン日本版編集部

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