サファリの大自然に挑んだポルシェ911!│鳥がぶつかるアクシデントも

Porsche AG

これは『世界一過酷な冒険!泥まみれでサファリ・ラリーに挑んだポルシェ911SC』の続きです。

パルクフェルメに並べられたプジョー 504 V6、ダットサン・バイオレット 160J、三菱コルト・ランサーには、タフな車であるというの共通点があった。1974年にはランサーがポルシェを退け、1975年には504がランチア・ストラトスから勝利を奪っている。 


メルセデス・ベンツは28 Eを持ち込んだが、大きく重い車体であったためこのレースには向かなかった。重い車は荒れた路面で故障する可能性が高い上に、2トンの車重で200psのパワーではあまりにも非力すぎたのだ。クスマウルたちが開発した911 SCサファリの乾燥重量は1180kg。搭載されるのは3.0リッター自然吸気ボクサー6、タイプ“911/77”。最高出力は250hpを誇り、過酷な場においても信頼性出来る存在だった。



「ホイールベースが短いので、911 SCは少し安定性には欠けていました。そして、ドライビングミスにより大きな岩にヒットしてしまうと、エキゾーストマニフォールドやエンジンにダメージを受けてしまう可能性があります。さらに、アルミ製アンダーガードはダメージから守るだけでなく、ひどい泥の海を滑り抜けることもできたのです」

アフリカの悪路に向けて、ボディとシャシーは大幅に強化された。特にリヤアクスルのアーム類は高い剛性が求められ、28cmの地上高が確保され、スペアタイヤは2本搭載。ひとつはフロントに、もうひとつはシート後方に載せられた。エンジンカバーはフォームテープを使って完全に密封されている。

「隙間から入る微細なダストによって、ピストンリングまでもが磨耗します。エンジンへのフレッシュエアは、ダックテールに備えられたグリルからのみ取り入れられるようになっていました。リヤスポラー後方には乱流によってかなりたくさんのダストが溜まっていましたよ」と、クスマウルは話す。

この他に、フロントセクションを守るアニマルガード、巨大なジャッキ、110リットルのガソリンタンク、16リットルのフロントスクリーンウォッシャー液がサファリ用に追加された。

土曜日に入り2500kmを走行した中間地点を過ぎても、依然としてワルデガルドはラリーをリードしていた。しかし、難関のタイタヒルに向かうルートにおいて、911 SCのリヤスイングアームは悲鳴をあげていた。チェイスカーに乗ったクスマウルとバースによって、トラブル箇所を交換。足まわりの交換としては、1時間という記録的なはやさで交換を終えるが、ワルデガルドはトップから陥落してまう。

オクタン日本版編集部

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