時計にもある、多彩なオークションの世界│そもそものはじまりは?

クラシックカーの世界も奥深いものだが、古くから人々の生活に欠かせない"時間"という概念を計る道具である時計の世界も魅力的で、美しいアートに溢れている。そして、そこにも「作品」としての時計に対して価値を付けるオークションが存在し、コレクターが世界中から集まる。ークションと聞くと、『オクタン』読者はクラシックカーにおけるオークションを想像するだろう。あまり知られていないものだが、クラシックカーと親和性のある時計にもオークションが存在する。

その歴史は、アートなどと比べると歴史が浅く、まだ50年になるかならないぐらいだ。始まりのきっかけは、1970年代のクオーツショックにより、スイス機械式時計メーカーの時計師が仕事を失ったこと。ジュネーヴの小さな修理工房がそのような時計師(今では有名なフランク・ミューラーなど)を雇い、修理をして販売していくうちに、機械式時計に対して価値を見出すクライアントが増えた。そして、時計が公正な金額で取引されるようにと、始められたものが時計を対象としたオークションであった。
 
時計オークションの世界において中核を成すイギリスのオークションハウスであるフィリップスは、年5回(5月と11月にジュネーヴと香港、12月にニューヨーク)でオークションを開催している。落札される時計1本の平均落札価格は600万円〜1,000万円。近年では、インターネットが世界に広がったことで、誰もがブランドとモデル名や型番を入れれば現行の時計については世界での市場金額を見ることができる。    
 
しかしその反面、ヴィンテージやアンティーク時計は金額が一定ではなく、色々な情報がやりとりされている。時計オークションの会場では専門家が集まっているため、このような情報を詳しく知ることができるのだ。また、プレビューでは世界中からコレクターが集まり、流行や購入者(人種など)などの傾向をいち早く知ることもできる。最近では、アジアの若い富裕層の参加が増えている。
 
次回より、フィリップスでこれまで落札された中で、注目の20本を順にご紹介する。魅力溢れるその世界をじっくり堪能いただきたい。

Day:オークション開催日 Place:オークション開催地 Sold for: 落札価格(手数料込み) USD:米ドル CHF:スイスフラン HKD:香港ドル

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