時に議論を呼ぶ大胆さが、なぜデザインに必要か?
バウハウスは元々、ワイマール大公国の美術学校の中で、アーツ&クラフツ運動やアール・ヌーヴォーといった、英仏の工芸や建築における新潮流の影響下で興った「工芸ゼミナール」に端を発っする。だが第一次大戦後の動乱期にあって、ワイマール大公国からワイマール共和国に体制が移行する中、1919年にバウハウス・ワイマール校が創立されたものの、インダストリアル・デザインと大量生産を志向し始めた初代校長ワルター・グロピウスは、当時としては大規模な工業化が進んでいた隣町のデッサウにバウハウス移転を決める。
そして自ら設計を担当した校舎が、今もバウハウス建築の象徴となっているデッサウ校だ。ナチスの時代に迫害されたバウハウスはその後、アメリカやイスラエルでおもに建築の分野で命脈を繋ぐが、20世紀半ば以降も世界中のモダン建築やインダストリアル・デザインに決定的な影響を与えたドイツ発のムーブメントとして、その名を歴史に刻んだのだ。その聖地といえる場所が、デッサウ校なのだ。優れたトラクションと直進安定性でもって、高速道路でまさに水を得た魚のごとく進むAudi TTS Coupé。
ミュンヘンから、目指すデッサウまでは約450km。大半の道程はアウトバーンで、スタッドレスタイヤ履きとはいえ、ひと桁そこそこの気温の中でロングツーリングにスポーツカーを駆り出すのは、それなりの心理的プレッシャーがある。橋の上のような路面の部分的な凍結も考えられる。
だがAudi TTS Coupéは、quattro四輪駆動システムでもって、安定感たっぷりにアスファルトを蹴り続ける。クルーズ時はFFに近い安定したトラクションを発揮しながら、合流など加速する場面では後輪側で強く押し出すフィールがシートを通じて伝わってくる。スタビリティと機敏さが破綻なく交じり合っているのだ。
突き上げを巧みに抑える乗り心地や、2名分のスーツケースを軽々と呑み込むラゲッジルームといい、スポーツカーとして望外の快適性と実用性を備えている。それでいて凡百のGTカーとは一線を画す、コンパクトさというか手の内の収まりよさは、替えの効かないものだ。 安心感はあるが、スポーツカーとしてレスポンスに欠けることなく、ステアリグを握っていて退屈しない。かくしてデッサウに着いた時点でも、予想以上に疲れが少ないことが印象的だった。
オクタン日本版編集部
2023.09.09
デ・トマソ最後のスポーツカー「グアラ」、実はお手頃なネオクラシックカー ...
デ・トマソ・グアラは、創業者兼オーナーのアレハンドロ・デ・トマソが世に送り出した最後のスポーツカーである。1993年のジュネーブモーターショーで発表されたグアラは、当初はクーペボディのみだった。その後 ...
2023.09.11
シモン・アンタイ回顧展「Folding」|エスパス ルイ・ヴィトン大阪 ...
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、所蔵するコレクションと展覧会を通じて、世界中の幅広い人々に現代アートに興味を持ってもらえることを目的とした、現代アートとアーティスト、そしてそれらのインスピレーション ...
2023.09.13
時代の先を行き過ぎた? 内装も超個性的な「ブルベイカー・ボックス」
時は2476年、地球は汚染と文明の崩壊によって荒廃していた。その荒れ果てた土地に、流線型の6輪の乗り物「アークII」が聖書に登場する科学者たち、ヨハネ(船長)、ルツ、サムエル、アダムを乗せた。彼らの使 ...
2023.09.02
ロータスの新世代を彩る期待の第一弾は、フルサイズの完全電動SUV!
2002年の設立以来20年以上にわたってロータスのインポーターを務めてきたエルシーアイは、ロータスブランド75周年となる本年2023年9月1日、ロータスとして初の電動SUVモデル、エレトレを発表した。 ...
2023.09.08
全部知ってる? ランボルギーニが生み出したレアモデル5選
今年60周年を迎えるランボルギーニ社が、ワンオフモデル(コンセプトカー含む)や、限定車の「フュー・オフ(Few Off)」を振り返るプレスリリースを出した。その中から、筆者が独断と偏見でランボルギーニ ...
2023.08.31
「世界で最高のスポーツカー」というコルベットの使命を具現化させた、最新 ...
昨今のシボレー・コルベットには「Z」が付く名称のモデルが様々ある。「Z51」、「Z06」、「ZR1」など… そもそもGMではエンジンには「L」、トランスミッションには「M」を、ブレーキに ...
2023.09.01
速報!ティーポ33ストラダーレ、BEVの助けで現代に蘇る
フランコ・スカリオーネが描いた美しいスタイリングをまとって1967年にデビューしたアルファロメオ・ティーポ33ストラダーレは、世界的にその人気は高い。後述するように生産台数がごく少なかったことから、ヒ ...