モータースポーツ最高峰で活躍する3名の共演が実現|JAPAN RACERS SQUAD

Katsunori KISHIDA, Octane Japan



この「ジャパン・レーサーズ・スクワッド」の3名のトップレーサーに共通する志として、子どもたちの夢、次世代の育成にも力を注いでいることが挙げられる。佐藤選手は自らが卒業生でもあり、現在は校長を務める鈴鹿サーキットレーシングスクールで、レーシングドライバーを目指す若者を指導している。中上選手は、海外の数多くのレースに参戦している経験を踏まえて、日本国内と海外のレースレギュレーションが異なることで戸惑う若手選手が多いことを例に挙げ、世界的な選手を輩出することの難しさを語った。「エアレースパイロットの育成機関は日本ではほとんど皆無」という室屋選手は、現在小学3年生〜中学2年生までの子どもたちを対象に、彼らの夢を実現するための力を引き出す 「空ラボ」というプラグラムを行っている。いつかそこからパイロットになる子も出てくればいいな、と10年ぐらいのスパンで考えているそうだ。

世界レベルで活躍する3選手の姿はきっと子どもたちに夢を与え、憧れの存在になっていることだろう。子どもたちの憧れであり続けるのは容易ではない。だが、自分たちがこれまで周りから与えてもらったことを次世代に伝えていきたいという彼らの志と情熱を強く感じ、彼らなら必ず子どもたちの夢や目標、そしてそれを後押しする力になるだろうと確信した。



お互いのレースも観戦したり、同乗体験をする機会を設けるなどして交流しているという3選手。室屋選手の操縦する飛行機に佐藤選手が乗った際の「なまじ僕がGフォースに耐えられると知っているので、サービス精神から意地悪をする。4G、~5G、~6G、はいここでリラックス~と言われて力を抜いたその瞬間に、ヨシさんはピークGを持ってくるんだから!(笑)」というエピソードには、会場からも笑いが起きていた。反対に、佐藤選手が運転するインディカーに室屋選手が同乗したときには、負けず嫌いの佐藤選手が「仕返し」をしたそうだ。今度は「貴晶の後ろに乗ってみたいな」と佐藤選手は言う。モータースポーツのジャンルを超えて、トップアスリートがともに活動する。これぞレーサーズ・スクワッド、まさにプロフェッショナル同士のコラボレーションだ。



Words: Octane Japan, Photography: Katsunori KISHIDA, Octane Japan

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