世紀の大発見にもなる!クラシックカーの「バーンファインド」とは?

Photography:Matthew Howell

近年、よく耳にする"バーンファインド"という言葉は、しばらくガレージや納屋で放置されていた車やバイク、飛行機が発見されることを意味する。しかし、放置されていたものであれば、すべてが"バーンファインド"と呼ばれるわけではなく、貴重であったりと価値があるものである場合に使われる言葉だ。

そのブームの引き金とも言えようものが、2015年にフランスの古城で見つかったバイヨン・コレクションであろう。ロジェ・バイヨンという名のひとりの男が作り上げた100台以上ものクラシックカーのコレクションが見つかったのだ。その中には、アラン・ドロンが所有していたフェラーリ250カリフォルニア・スパイダーやマセラティA6G 2000、ファセルヴェガやタルボラーゴなどのコレクションが見つかった。どの車も程度の違いこそあれど、ホコリまみれで実働は不可能。レストアすることは大前提なものばかりだが、アラン・ドロンが所有していたフェラーリは20億円近くで落札されたのだ。これは今もなお、「世紀の大発見」と言われている。



そして、日本でも2017年にひとつのバーンファインドの話題が駆け巡った。岐阜県の納屋で見つかった365GTB/4デイトナだ。1971年に日本に渡ってきた1台で、スーパーカーブームの渦中で何人かのエンスージアストたちに所有された。そして、岐阜県にある納屋で長い眠りにつくことになったのだ。2017年9月にイタリア・モデナで開催されたオークションにこのままの状態で出展され、2億円を超える値段で落札された。



2019年の話題で言えば、サウジアラビアで50年間にもわたり放置されていたマセラティ5000GTがある。もともとは最後のイラン皇帝であったモハンマド・レザー・シャー・パフラヴィ―がマセラティに直接依頼して制作されたモデルで、発見されたのはギアが1台だけ手がけたものであった。この1台もデイトナと同様に何人かのオーナーに所有された後に放置されていた。屋外に置かれていたためにボディはボロボロになり、スクラップされる寸前であったそうだ。このマセラティ5000GTは、レストアにかかる費用や時間のことが考慮されてか、5000万円程の落札となった。もし、もっと綺麗な状態であったら倍の価格は付いていたであろう。



大きなバーンファインドのニュースは毎日入ってくるわけではないが、世界中には放置されてきた車がたくさん存在しており、しっかりと乗ってくれるオーナー
を探しているのだ。時間をかけて、これからの相棒となる存在を復活させることができたらさらに愛情が増すに違いない。

オクタン日本版編集部

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