140年の歴史を歩んできたコノリーの現代での挑戦│先導する2人にインタビュー

コノリーは現在、世界トップクラスのレザーを使ったバッグや、上質な素材を贅沢に使ったセーターやTシャツなどを取り扱うライフスタイルブランドへと進化を遂げている。2000年よりコノリーの経営権を所有していたジョン・エッティギィ氏の逝去を受け、2016年に妻であるイザベル氏がオーナー権を受け継いだ。日本では、(株)キャンディーグループが総輸入販売元を務めている。同グループは、日本では無名だったジョン・ロブやピエール・マルコリーニを大きな市場規模まで育てたことで知られる。

そして今回は、彼女が持つデザインやクラフツマンシップへの哲学を伺う機会を得た。インタビュー当日、明るくモダンな雰囲気が広がる銀座ブティックで、イザベル氏は溢れんばかりの笑顔で迎えてくれた。なるほど、持つ人を元気にさせるようなこのアイテムの数々は、彼女によって手掛けられているのかと、会うや否や、そんなことを感じざるを得ない人柄だ。



コノリーレザーを贅沢に使用したチェアに腰をかけ、車は普段何に乗っているのか聞いてみると、「初期型のレンジローバー。色はブラック。モーガンも乗っています。もちろん、コノリーレザーです。くたびれてきているけど、それもまたよくて」という答えが返ってきた。高級レザーブランドのオーナーとなると、どこか親しみにくいイメージを持ってしまうが、そんなことはまるでない。店内に並ぶ、世界トップクラスでありながらも、ポップで手に取りやすいアイテムと通ずるものを受ける。


モータースポーツのチェッカーフラッグをイメージしたポーチとNo. 1のコインケース。

まず、ものつくりにおいて何を大切にしているのか聞いてみた。「シーズン関係なく使えるものであること、それに付随する要素として最高の素材とクラフツマンシップが用いられていること、そしてユーモアのセンスですね」"ユーモアのセンス"を象徴するように、現在のコノリーにはかわいらしいマスコットキャラクター"コノリーカウ"がいる。店内にもフェルトで作られたコノリーカウが所々に見え隠れしている。



「コノリーのインスタグラムを見ると、この子が動いているところが見られるの⋯」と自身の携帯を取り出し見せてくれた。他にもユーモアが取り入れられているアイテムは数多くあり、人気商品だというチェッカーフラッグをモチーフにしたポーチや、日本ではコノリーだけで取り扱うドライビングシューズの名門カーシューも揃っている。また、バッグの金具にはロールス・ロイスで使用されていたビスを模したもの、伝統のコノリーロゴがボタンの側面に入っていたり、昔の燃料タンクをモチーフにしたキーリングなど、車との関係性がさりげなく落とし込まれている。

ブティックの中でも特におすすめアイテムは、かつてトランクスペースが少ないヨットで使われていたシーバッグとのこと。大容量でありながら、大きさの調整ができる優れものだ。ミディアムサイズのものを製造するのには、革選びなどからはじまり半年かかるという。また、ソフトな触り心地のレザー加工はスペイン、ハードなレザー加工はイタリア、というようにそれぞれ得意としている分野で製造場所も変えている。パイピングひとつにも込められたこだわりは貫かれている。


豊富な大きさのシーバッグ(左M, 右S ) 40万円、33万円。価格は税別表記。

日本マーケットはまだ探り中とイザベル氏は話すが、キャンディーグループは情熱と共にどのような展開をみせてくれるのだろうか。大いに期待できそうだ。

コノリー銀座並木通り店
住所:東京都中央区銀座7-6-19
Tel. 03-3574-3411
営業時間:11:00~20:00 
休業日:年末年始

公式サイト

文:オクタン日本版編集部 Words: Octane Japan

文:小石原 耕作 写真:奥村純一 Words: Kosaku KOISHIHARA (Ursus Page Makers) Photography: Junichi OKUMURA

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事