伝説のフットボール選手と愛車ポルシェ911ターボの物語

Porsche AG

伝説に残るアメリカのフットボール選手、ウォルター・ペイトンにとって、愛車のポルシェ911ターボは彼が培ってきた努力を象徴する宝でもあった。そして、人生のレッスンになる存在として息子に受け継がれた。

ウォルター・ペイトンは、NFLのシカゴ・ベアーズで13シーズンプレーしたスター選手であった。1993年には、プロフットボール殿堂に選出されており、NFLの100年において最も素晴らしい選手として今なお名を残している。プロボウルには9回選出され、歴代最多タッチダウンなど様々な記録を樹立した。



そんな彼は大の車好きでもあり、大人になってからは持っている車こそが彼の自慢だったという。1999年にこの世を去る前にほとんどの車は売り払ったのだが、1台だけどうしても手離せないポルシェがあった。それは、シルバーに輝く1979年 3.3リッター 930ターボだ。

その後、そのポルシェはウォルターの息子であるジャレットに受け継がれた。彼は、父親がいかにこのポルシェを気に入っていたか聡明に覚えていた。ウォルターは成功していくにつれて次々と車のコレクションを増やしていった。しかし、911ターボだけはいつも特別扱いされていたのだ。他の車はすぐに動かせるように置いてあったが、このポルシェだけはガレージとは別の場所に停められ、大事な時にのみ乗っていた。



ウォルターが911ターボを買ったのは1979年、彼が25歳の時であった。その頃はすでに活躍していて、ポルシェを買うことは成功のシンボルでもあったのだ。「父がどれほどポルシェと過ごして、そばにいたのか覚えているよ。でも、1万マイルも走っていないんだ。他の車を持ち始めると、ポルシェはかわいい赤ん坊のような存在になってしまったわけさ。外に出すとしても少しだけになっていったんだ。父にとって、この1台は本当に特別な子供のようだった。僕がいて、妹がいて、ポルシェがいて、という感じだったね」とジャレットは言う。

車のコンディションを見てみると、その言葉たちはさらに強固なものとなった。オドメーターにはたったの9950マイルが刻まれ、ペイントワークもレザーも新品同様。タイムワープしてきたかのようだ。

しかし、すべてがオリジナルというわけではない。RUFのインタークーラーやゴッティのホイールが装備され、インテリアの所々にはカーボンが織り込まれていたりする。



ジャレットは、父がこの車に持っていた想いをそのまま受け継ぎ、今でも特別な場所にしか乗っていかないそうだ。時には、6歳になる息子を乗せて走っているという。「僕がちょうど息子くらいの年だった時に、父とこの車に乗ったのを覚えている。パワフルで、とっても速かったんだ。"とんでもない車だね!"というように父の目を見つめたよ」

この車を売りに出した理由としてはこのように話す。「なかなか簡単に決められないけれど、常に世界中で父の存在は知られているんだ。毎日彼について話している人に会っていると、本当に心底、この車を大事に楽しんでくれる人がいるように感じたんだ」

Words: Porsche newsroom 訳:オクタン日本版編集部

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