ブガッティの超ヒット作!│子供用ブガッティ「ベベ」の正体とは?

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"ブガッティ・ベベ"はもともと、何でも持っている男の子のためのワンオフカーとして作られた。1920年代終わりにブガッティの信じられないヒットとなり、今ではこの車のもとになった車と同じぐらい引っ張りだこである。

エットーレ・ブガッティは息子のローランドが1940から50年代にかけブカッティブランドの再建に失敗したことに激怒したが、間違いなく彼を溺愛してもいた。ローランドが生まれた1922年、両親とも41歳であった。彼には2人の年の離れた姉がいて、ほとんど家の中で教育を受けた。彼は小さな甘やかされただけの子供だったのだろうか?

例えば、たった5歳の頃ローランドは、自分だけのブガッティを運転することができた。モルスアイムの工場にあった古い残りもの等で作られたのではなく、彼のために特別に作られたものだった。これには諸説ある。工場のスタッフたちがボスの息子にブガッティベベを作るためにこっそり集まり、発表はサプライズだったと思っている人たちもいる。

しかし、エットーレが、ローランドのおむつが取れた時に、子供がすぐに自動車産業の実業家になるための精神を身につけて欲しいと考え製作を依頼した、と言うのが可能性としては高いだろう。

その車は、基本的にブガッティタイプ35の1/2サイズのモデルで、かなり精密に作られていた。ミニチュアのアロイホイールが本物の様に使われていたし、車体はアルミ製。直列8気筒エンジンを半分のサイズにすることは試みられなかった様だ。もしこれも実現されていたなら、エンジニアリングの本当の傑作となっていたに違いないので、ちょっと残念である。



ローランドの小さな足は、車を進めるためにペダルを猛烈にこぐ必要はなかった。代わりに12Vの電気モーターが後輪の車軸の中に隠されていて、右後輪を駆動していた。スロットルは、モーターのレオスタッドに接続されており、簡単なスイッチで極性を入れ替えられ、それによって後ろに進むことも可能であった。

本物の前輪のサスペンションはセミエリプティックだったが、こちらは木製のブレーキシューを広げた4輪のドラムブレーキであった。355x45のタイヤにはじまり飾りのフロントグリルまで、それに開けるボンネット、タイプ35と同じになるようにサイドに16のルーバーがあるなど、その他の細かい部分は忠実に再現されていた。それらの美しいホイールは取り外しが可能であった。

ローランドが彼の新しいレースカーでモルスアイムの敷地内で嬉しそうに遊んでいるのを見ていたエットーレにあるアイディアが浮かんだ。“ベベはフルサイズのブガッティの顧客や存在的な顧客に対してマーケティングの手段としてぴったりなプレゼントになるだろう”そして1927年ミラノでの展示会で、紹介された。

Words:Giles chapman 訳:古川浩美 (Ruoteleggendarie)

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