真冬のパリに集まった100年のシトロエンたちをおさらい

Photography&Words:Tomonari SAKURAI

5日間で過去最高の13万2000人もの来場者を迎えた、2019年のレトロモビル。100周年を迎えたシトロエンも貴重な車両を一堂に展示、会場やオークションなどでも様々なシトロエンの車やグッズで彩られた。

44回を迎えたレトロモビルは、ちょっとしたクラブミーティングとオートジャンブルで始まり、今では世界的なヴィンテージカーイベントにまで成長した。フランスの各メーカーが大きなブースを設けて歴史的な車たちを展示するが、2019年のシトロエンは100周年を祝って貴重な車両が一堂に展示された。一般公開の前日となる2月5日には前夜祭が行われた。141年前の1878年2月5日にアンドレ・シトロエンが誕生したこともあり、100周年とアンドレ・シトロエンの誕生日を併せた盛大な乾杯で幕を開けたのだ。


 
最初のモデルとなった1919 年のタイプ Aを皮切りに2019 年最新モデルとしてシトロエンC5 エアクロスまで展示。その中にはプロトタイプや、コンセプトカー、そしてレーシングモデルを加えた。そこに足を運ぶ来場者たち、若い世代は古いプロトタイプの新鮮さに驚き、古くからのファンは懐かしそうに展示している車を見ながらその思い出を蘇らせていた。
 
ブースはシトロエン最初の市販車タイプA、C3 5HP、トラクシオンアヴァン、タイプHに2CVとシトロエンを代表する5台を中心に、右側にレーシングカー、左側にはコンセプトカーでサンドイッチしている。レーシングカーの先頭には1933年3月15日から7月17日まで無停止、134日間で30万kmを平均速度93km/hで走り抜き、106の世界記録を樹立したモデル 8 CV (Petite Rosalie)の長い車体がひと際目を引いていた。"ハイドロシステムのシトロエン"を切り開いていった、ラリーで活躍したシトロエンDS。そして現在を闘うWRCの車両までを展示した。


 
左側にはその時代の最高レベルの技術をつぎ込んだコンセプトカーが並んだ。1950年代に382kg という軽量な車体に抵抗係数0.258という流線型のモデル、C10からピラミッド型で3人掛けの中央が運転席のカリン(Karin)、そしてテレビゲーム用にデザインされたシトロエンGTなどが展示され、レーシングカーによる速さと耐久性、コンセプトカーによるコンセプトと先進性と、このブースでシトロエンの魅力が凝縮されたのだ。 

写真、文:櫻井朋成 Photography&Words:Tomonari SAKURA

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