マクラーレン本社で働く人々の愛車を紹介│クラシックと新型どっちが多い?

Photo: Jamie Lipman

世界でも優れたデザインと性能を持つマクラーレン。では、そこで働くスタッフたちの愛車とはどのようなものなのだろうか?

1991年 ベントレー ターボR  

マシュー・ビシュトン(プレス&マーケティング コーディネーター)
「私がこのベントレーを所有したのは12年前のこと。もともとロールスロイスのスペシャルショップに務めていて、そこで購入を提案されたのが15年前のことです。1万5000ポンドでどうかと言われましたが、その頃車にそれほどのお金をかける余裕はありませんでした。しばらくして、同じ車がeBayにあるのを発見したのです。ジャガーをレストアしていた人物が農場で所有していて、綺麗に再塗装されていました。結局のところ、その1台を安く購入することにしたのです。しかし、ブレーキが完全に壊れていて走ることができなく、大幅な修理が必要でした。オーバーホールや、ブレーキシステムの修理以外のことは自分で行い、とっても速く走ってくれるようになりました。過去にテスティングを行った資料を発見したら、そこにはアメリカだけでなく、日本とニュルブルクリンクの文字がありました。かなりの距離を走行したでしょうが、エンジンは完璧なままです。ボディは決して綺麗とは言えませんがこの時代のロールスロイスとベントレー同様です。最近では、もっと古い、優雅な世界にも興味を持ちはじめています」


1983年 マトラ ムレーナ

デイヴィッド・ハウザー(シニア ビークルダイナミックエンジニア)
「私はデトロイト出身ですが、昔はドイツのボッシュに務めていました。その時にマトラを購入しました。アメリカに戻ろうかと考えていて、お土産として変わった車が欲しかったのです。25年以上経っている車両でないと輸入できないことに気付き、アムステルダムでこのマトラを見つけました。オランダまで深夜バスで向かい、次の日にはドライブしてドイツまで持って帰ってきました。いくつか電気系統で心配なところはありますが、信頼できる車です。3人掛けのシートは、家族にもピッタリです。2歳の娘がいるのですが、真ん中のシートに座るのが大好きなのです。トランクも広いですし、申し分はないですね。ステアリングもそこまで重くなく、ドライブは極めてシンプルです。乗り心地としてはフランス車らしく柔らかいです。田舎などを走るのはとても楽しいですよ」


1997年 マセラティ ギブリ カップ

ニック・タリス(エンジニア, MSO)
「これまでに経験した最も大きな問題は、ターボチャージャーでした。カップモデルには初期型のローラーベアリングが採用されていたのです。そこで、このターボに合うよう自分でセラミックベアリングにかえました。今、デフは変な音を発しています。おそらく、昔プレスカーとして使われていた時に色んなジャーナリストたちに酷使されていたのでしょう。この車はもともとあるものをベースに特別なものになっているところが、マクラーレンのスペシャルオペレーションで行っていることにも通じています。レアな車ですし、これからも大切にしていきます」


1958年 ベントレー S1 サルーン

ジョリオン・ナッシュ(エグゼクティブディレクター、グローバルセールス&マーケティング)
「サセックスのパブまで行くのにとても良い車ですね。特に、短いズボンを履いているカジュアルな時なんかは。ロールスロイスで働いていた頃から所有していますが、今でもあまり乗っていません。というのも、普段はマクラーレン675LTを足としているので。はじめて社用車を選ぶ権利を得た時はジャガーEタイプを選んで、毎日の通勤に使っていました。結局、払いきれなくて売ってしまいましたけど。他には、MGBやTR6も所有しました。このベントレーではグッドウッドに行ったりも行ったりもしましたよ。駐車するのはちょっと難しかったけれど、走り心地は非常に良く、楽しいドライブでしたね。エンジンにストレスをかけたくないから、ゆっくり走って行きました。妻はこのベントレーで出かけるのが好きなんですが、絶対に運転はしません」


1966年 フォード ファルコン ステーション ワゴン

ジェイソン・サボリ―(パワートレイン コントロール & アプリケーション)
「この1台で出かけると、みんなが笑顔になります。速くもないし、音が大きいわけでもないけれど素晴らしいクルーザーなんです。6人乗せることができるし、リアシートを倒せば寝ることもできるんです。かつてオーストラリアにいた時、イギリスから来るたくさんの友人を乗せられる車が必要でした。たったの5000ドルで手に入れました。オーストラリアからタスマニアまで走ったり、たくさんの思い出ができました。イギリスに戻ってくるときは、船に乗せてついでに車には家具も載せて運んできました。パーツも安く手に入りますし、自分で充分なメンテナンスを施せますよ」


1959年 メルセデスベンツ 190SL

クリス・グッドウィン(テストドライバーチーフ)
「スポーツカー?ハンドリングの良い車?私はそんなものは求めていなくて、むしろ50mphで走らせることが好きです。いくつか用途の違う車を持っていますが、このメルセデスベンツはゆっくりと走るための1台です。190SLはクールな車で、この時代を象徴する1台です。快適で、性能も良く信頼性もあります。テストドライブする場所まで向かうのにベストですよ」

その他にも、1970年 フォード エスコート Mk1 RS1600、1999年 BMW Z3M クーペ、1971年 トライアン TR6、1976年 フィアット 124スパイダー、1988年 VW シロッコ、1991年 プジョー 205 GTI、2005年 BMW M3 E46など...バラエティに富んだ車を持つ人々によってマクラーレンは生み出されているようだ。






Words: Mark Dixon 訳:オクタン日本版編集部

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