ザガート100周年を祝う│コンコルソ デレガンツァ 京都 2019

Photography:Mobi-curators Labo., Concorso d'Eleganza Kyoto, Chopard

「コンコルソ デレガンツァ 京都」が、今年も桜の花が咲きそろう世界遺産、元離宮二条城を舞台に開催された。3回目を数える今回のメインテーマに選ばれたのは、創業100周年を迎えたザガートと、ランボルギーニのヘリテージ部門、"ポロストリコ"であった。

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日本国内だけでなく、欧州から招かれたワンオフを含めた稀少な逸品、およそ50台がエントリーした。ジャッジも国際的で、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスやコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで審査にあたる目利きたちが招聘された。土曜日に行われた厳正な審査を経て、今年のベスト・オブ・ショーに選出されたのは、ザガートとランボルギーニの"ダブルネーム"を持つ1965年ランボルギーニ350GTZであった。合わせて、ベスト・ザガート・アワードと、レース&プロトタイプクラスでもウイナーとなり、三冠を果たした。


 
また、受賞はしなかったが、1967年ロンドン・ショーで公開されたザガート・ローバーTCZは、この350GTZ並の貴重な存在だろう。1964年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど高い評価を得たローバー2000をベースにして、ザガートがボディを架装している。こうしたワンオフのショーカーが現存していていたことが嬉しい。
 
参加車の中で、ひときわ異彩を放っていたのは、ところどころ艶を失った貫禄ある塗色と軽いクラッシュ痕を残したままの、1950年アルファロメオ6C2500スポート・フレッチャ・ドーロだろう。それもそのはず、1950年第1回カレラ・パナメリカーナ・メヒコのためにアルファが仕立てた2台のワークスカーの生き残りだ。タルッフィとボネットがそれぞれ総合で6位と8位に入っている。



参加したのは元ボネットの車で、レース後にメキシコで売却されたが、近年になって英国に渡り、元のカーナンバー等が復元された。クラッシュ跡などはカレラ当時のものではなかろうが、雰囲気づくりに大いに役だっている。こうした刻み込まれた年輪を上手に生かしたレストアのテイストは参考になるだろう。


 
コンコルソ デレガンツァを終えた翌日から、ランボルギーニ350GTZほか有志たちは四国への旅に出掛けていった。庭園に美しく佇んでいた車は、走る姿もまた美しいはずだ。

文:伊東和彦(Mobi-curators Labo. )、オクタン日本版編集部 Words:Kazuhiko ITO(Mobi-curators Labo. ), Octane Japan 写真:Mobi-curators Labo.、コンコルソ デレガンツァ 京都、ショパール 

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