費用対効果に優れたクラシックカーとは?!│誰もが憧れるあの1台

octane UK

イギリス人がドーバーなどの海峡をわざわざ渡るのは、戦争を始めるか、もしくは大量のワインを仕入れるか、何れかの理由とされてきた。しかし、近年ではパリで開催される良質なオークションが、フランスを訪れる新たな理由のひとつに加わった。
 
2014年11月2日、アールキュリアルは第7回目となる「オトモビル・シュル・レ・シャン」を開催し、シャンゼリゼ通りの本社には美しい2台のアストンマーティンを含む選りすぐりの品が並んだ。
 
最初の出品は、丁寧にレストアされた1958 年のDB 2/4 Mk クーペで、予想価格帯の半ばの18万4760 ユーロで買い手がついた。走行距離が3 万2500マイル、2オーナー、良好な状態、そして最近のアストンのクラシックモデルへの関心が高まりを考慮すれば、正直なところ期待を下回っていたといえる。
 
一方、メインテナンスの行き届いた左ハンドルの1964年製DB5はかなりの盛り上がりを見せ、最終的には予想を大きく上回る93万1200ユーロで取引された。それでも、同時期のイタリアやドイツ車と比べれば遥かに得な買い物だと、アールキュリアルは補足する。DB5の価格は高騰しているが、スタイル、パフォーマンス、そして"名声に対する費用対効果"という意味では、他に勝る車はない。フェラーリ、マセラティ、そしてメルセデスと比較してもだ。そのため、2015年2月5日にパリのボナムスで出品された65年DB5コンバーチブルの落札価格は納得できるものだ。コンバーチブルは23台しか造られず、出品されたシャシーナンバー"DB5/C/1920/L" の落札価格は189万7500ユーロと、2010年の価格から実に3倍にも跳ね上がっている。


 
しかし、ここ数カ月間あらゆるオープンモデルがオークションで高値をつけている事実も興味深い。シルバーストーン・オークションと提携しているサロン ・プリヴェ・セールでは、1970年DB6 ヴォランテが100万ポンドで見積もられ、最終的には95万4500ポンドで落札された。さらに膨大なヒストリーファイルの中には「Mkヴォランテの中でも最高の状態」であることを記載したアストンマーティン・ワークスの手紙も添えられており、これがオークションを盛り上げる強力な後押しとなったことは間違いない。
 
私たちの好みに合うのは、2014年9月8日にロンドンのRMで取引された1952年DB2ドロップヘッドクーペだった。ファクトリーが製造した98台のうちの1台だ。2.6リッターエンジンと影響力のあるスタイリングは、W.O.ベントレーのスタッフだったウィリー・ワトソンによるもので、DB2はデイビッド・ブラウン時期で最も魅力的な1台といえる。レストア直後でもあり2014年に21万8400ポンドで落札された。


 
さほど磨かれていない車も健闘し、シルバーストンで取引された1970年DBSは28年間過ごした納屋の中から泥だらけの状態で運ばれてきた。しかし、予想を1万ポンド上回る3万3350ポンドで、泥とともに持ち帰られた。購入者の気持ちも分からないではない。"バーンファインド" にはロマンがある。一方、ボナムスのグッドウッド・リバイバル・セールで24万7000ポンドも出して1986年V8ヴァンテージ・ザガートを購入した人物には共感しづらい。ほぼ新品状態で走行距離も納品時に伴う程度だった。フランスワインの飲み過ぎだろうか…

オクタン日本版編集部

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